鉄人28号の街にパトレイバー出動──。1980年代に人気を博したアニメ「機動警察パトレイバー」の実写映画PRのため、神戸市長田区の大正筋商店街アーケード内・神戸アニメストリートで12日、撮影に使われた実物大イングラムのデッキアップイベントが行われた。同作品の押井守監督が商店街でのデッキアップを待ち望んでいたとされることから今回のイベントに注目が集まり、近くにはこちらも1950年代に人気を博した「鉄人28号」の巨大モニュメントがあることからヒーロー2体を1度に見られるなど盛り上がりを見せた。
【動画と拡大写真】鉄人28号もビックリ? デッキアップ担当の美人整備班員を直撃
商店前にパトレイバー、通行人「これ動くの?」
パトレイバー・イングラムのデッキアップイベントは全国各地で「出張イングラム」という形で行われており、11日には大阪市のグランフロント大阪内の広場で行われている。
映画の公開が近いことから、会場では関係者が「デッキアップの様子を動画と写真に撮ってSNSで広めてください」と大声で周知。イベントが開催されるたびにネット上でもにぎわいを見せている。
同日午前11時に、この日第1回のデッキアップを開始。サイレンを鳴らしながら、映画にも出演している白いつなぎ姿の「特車二課整備班」が作業。まるで本番さながらの作業を目の前に訪れた多くの人から歓声があがる。
テストデッキアップをみて、近くの衣料品店に買い物に来た女性(63)は「けったいなもんがおるなあ。だいぶ汚れてるけどこれ動くの?」と不思議そうに見つめる光景も見られた。
国内初の「屋内」デッキアップ
また、今回はこのイベントで初めて、アーケードの中という「屋内」でのデッキアップを実施。アーケード内ということで、全長8メートルのイングラムを2階で間近から見ることもできた。
長田区といえば鉄人28号のモニュメントがあることでも知られ、新長田にゆかりの深い漫画家、横山光輝さんの作品ということで2009年にモニュメントが設置されている。そのため、時代は違うもののコミックやテレビで活躍したヒーローが一気に見られるということで、多くの見物人が訪れにぎわいをみせている。
同区から家族で来たという男性(46)は「僕らはパトレイバーとか『究極超人あ~る』なんかは世代ですわ。まさか地元で見られるとは思わなかった。震災から20年たって若い人が少ないけど、きょうはいっぱい来てくれたらうれしいな」などと話していた。