「紙に夢を30個」児童養護施設で「夢ワークショップ」
オルタナ 4月10日(金)14時11分配信
道正さんが「夢を語ること」にこだわるのには、理由がある。それは、前職で夢を語ることを受け入れてもらえなかったからだ。道正さんは、CAPEに転職をするとき、所属していた部署の全体会議でお別れの挨拶をした。そのときに、学生の頃から抱いていた夢を叶えるため新しい挑戦をしますと話した。
挨拶を終えると、上司に呼び出され、「会社で夢を叶えるとか言うな」と説教を受けた。その会社では、同期や上司も、「夢なんてない。安定した生活が第一」という考えが浸透していた。この空気感は転職を後押しした。
今では、道正さんは転職しているが、実は、道正さんも「夢を忘れていた」と告白する。学生時代に行ったカンボジアへのスタディツアーがきっかけで、貧困問題を解決したいという意識が芽生えた。まずは3年間大手企業で働き、力をつけた後、NGOに転職すると決めていた。
会社では海外営業部に配属され、中国駐在を経験。多くの実績を重ね、数十億円単位の商品を扱うようにもなった。一方で、仕事に没頭していくほど、学生時代に抱いていた夢の存在感がだんだんと薄くなっていった。そんな道正さんに夢を思い出させたきっかけは、ある先輩の誘い。
先輩の自宅でパーティが開かれ、多くの人が集まった。そこでは、「カメラマンになりたい」「アーティストになりたい」など、参加者一人ひとりが夢を持っていた。「道正さんの夢は?」と尋ねられ、思わず、「社長かな・・?」と答えた。「社長って楽しいの?」と聞かれると、言葉が出てこなかった。その時に、学生の頃の夢を明確に思い出せたという。
道正さんが進める施設での教育支援は、施設の子どもたちだけのために行っているのではない。参加する大学生ボランティアも夢を話すので、キャリア教育になる。ボランティアは受け付けており、「何かしたいと思っている学生の参加を待っている」と話す。
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