熊井洋美
2015年4月13日21時24分
東京電力は13日、福島第一原発1号機の原子炉格納容器内で調査中、走行不能となったロボットによる撮影画像などを公開した。走行した1階部分には、こぶし大の石のようなものなどが落ちている様子がはっきりと写っていた。
ロボットは、投入された10日、予定ルートの3分の2にあたる十数メートルを走行したところで動けなくなった。画像によると、石のようなもののほか、留め金のようなものも確認された。それぞれ元々どこにあったものなのかは不明という。
事故で燃料が溶け落ちた1~3号機の原子炉格納容器内に調査ロボットが入り、中の様子を撮影するのは初めて。
東電は、廃炉工程の最難関とされる溶けた核燃料の取り出しに向け、今年度末に本格調査を予定している。今回はその準備で、次に調べる地下階につながる部分に十分な空間があり障害物がないことや、ルート上の配管に大きな損傷がないことなども確認できたという。6地点で測定された放射線量は毎時9・7~7・0シーベルト、温度は17・8~20・2度だった。「機器が2~3日間は放射線に耐えられることもわかった」と、ロボットによる調査は完了できなかったものの、一定の成果があったとした。
走行不能になった原因については、「段差などに接触した」と推定。東電はロボットの回収を断念し、外部電源とつながるケーブルを13日に切断した。また、13日に予定されていた1階反対側のルート調査は延期となり、実施時期は未定という。(熊井洋美)
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