高田正幸、中野浩至 高橋克典、坂東慎一郎
2014年12月9日09時57分
振り込め詐欺など「特殊詐欺」グループがマンションやオフィスビルに構える拠点の摘発に警察が力を入れ始めた。物件をあっせんする不動産業者や検針で巡回する電力会社に情報提供を呼びかける動きも。「トカゲのしっぽ切り」で逃げ延びてきた組織を一網打尽にする作戦だが、過去最悪ペースで増える被害を抑え込むのは容易でない。
■携帯・名簿…証拠ゴロゴロ
東京・新宿。駅にほど近い10階建てオフィスビルの3階に、20人を超える捜査員がなだれ込んだ。1フロアに約50平方メートルの部屋一つ。株取引を偽り、お年寄りらから現金をだまし取っていた詐欺グループのアジトだった。
部屋にいたり出入りしたりしていたのは、33~48歳の5人。警視庁や千葉県警の合同捜査本部は全員を逮捕した。いずれも、この部屋からだましの電話をかけていた「かけ子」といい、まとめ役とみられる男(35)もいた。
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