2015.04.13 Monday
ミラノ霧の風景
はい、ごきげんよう!!
ミラノから戻って、一週間が過ぎました。 なぜだか、 はるか昔の出来事のような気がしてます。 さらに言うなら、 本当に行ってきたのか、とすら思うことも(笑) そんなこともあって、 講談社エッセイ賞も受賞した 須賀敦子さんの名著、 ミラノ霧の風景―須賀敦子コレクション を久々に読み返してみました。 最初に読んだ時は、 ミラノどころか、 イタリアにも行ったことがなく、 文章の上手さ、格調高さが 最も印象に残りました。 イタリアって、こんな感じなんだ、 と思うよりも、 とにもかくにも、名文だな、と。 で、実際にミラノを経験してから読むと 感じ方は、だいぶ変わってきますね。 須賀さんが暮らしていた 40〜50年前と比べると、 ミラノの霧もだいぶ薄くなった、と言われています。 でも、町の薄暗さは 今も変わらず、というか。 霧がなくても、かなり薄暗い。 ぼくが滞在中も、 晴れた日は1日しかなかったですし。 高い所から町を見ると、 どんよりした空の雰囲気が よくわかります。 須賀さんが見てきた空、 なじみ深い空は こんなものではなく、 まさに、先の見えないものだったんでしょうね〜 そして、それは、 ご自身の人生についても 重ね合わせられるものだったのかもしれません。 先が見えない不安もありつつも、 それ以上に、今を受け止め、 見えない将来を楽しむ感覚、というか。 須賀さんが描くミラノの中に いろんなイタリア、人間が見えてくるところが 何とも言えず、素晴らしいです。 50年、100年先になっても、 その時代を生きる人々の心に響く本で あり続けるように思います。 また少し時間をおいて 何度でも読みたい一冊ですね。 では、今日もステキな1日になりますように・・・ |