フェラーリは、2008年に発表された「カリフォルニア」を開発をしていた際に、この新型車は"エントリー・レベル"ではないと強く主張した。結局、その言葉通りになったかどうかについては議論の余地があるだろうが、フェラーリには近い将来、本当にそれより低価格のモデルを世に送り出す計画があるようだ。
米の自動車業界誌『モーター・トレンド』によると、フェラーリは新しい顧客層、特に中国の顧客を取り込むために6気筒エンジンを搭載する新型スポーツカーの開発に取り組んでいるという。というのも、中国では排気量が3.0リッターを越えると税金が大きく跳ね上がるため、それ以下に排気量を抑えたV6エンジン搭載モデルを揃えることが重要なのだ。だが、この新しいV6はツインターボを備えることで、出力やパフォーマンスは間違いなくフェラーリの水準を満たすものになるだろう。
2019年に登場するといわれるこの6気筒エンジン搭載モデルでは、「ディーノ」の名前が復活するかも知れない。創設者エンツォ・フェラーリの長男で、1956年に24歳という若さで亡くなったアルフレードの愛称から名付けられたディーノは、主に6気筒エンジンを搭載するフェラーリのサブブランドとして、サーキットや公道でポルシェ「911」と競っていた。1968年に初代の「ディーノ 206GT」が登場し、翌年には排気量を拡大した「246GT」に進化。1973年には8気筒エンジンが搭載され、4座席の「308GT4」へと大きな変化を遂げた。しかし1976年からフェラーリのバッジが付けられることになり、「ディーノ」ブランドは廃止された。
フェラーリが、マセラティの「ギブリ」や「クアトロポルテ」用に3.0リッターV6ツインターボ・エンジンを開発したことは特筆に値する。おそらくこれがフェラーリの新しいエントリー・レベルのベースになると思われる。フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は例によって、自社ブランド同士が直接競合しないよう努めているが、マセラティは2016年に「アルフィエーリ」の市販モデルをリリースすることが決まっており、これに同じV6エンジンが搭載されれば、フェラーリの新型モデルと基盤を共有することになる可能性がある。
この6気筒を積む「ディーノ」復活モデルの価格は180,000ドル(約2,160万円)前後と見込まれている。ライバルとなるポルシェ「911ターボ」や「メルセデスAMG GT」、アウディ「R8」、そしてNY国際オートショーで発表されたばかりのマクラーレンの新たなエントリー・レベル「スポーツ・シリーズ」の「570S」を意識した価格帯になるだろう。
By Noah Joseph
翻訳:日本映像翻訳アカデミー
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