福島・双葉:標語看板前の桜見に一時帰宅 39歳男性

毎日新聞 2015年04月13日 20時19分(最終更新 04月13日 22時32分)

原発標語の前で咲く桜の花びらをビデオカメラで記録する大沼勇治さん=福島県双葉町で2015年4月13日、佐々木順一撮影
原発標語の前で咲く桜の花びらをビデオカメラで記録する大沼勇治さん=福島県双葉町で2015年4月13日、佐々木順一撮影

 東京電力福島第1原発事故で全町避難が続く福島県双葉町。「原子力明るい未来のエネルギー」と書かれた看板前の桜を見ようと、標語を小学生の時に考案した大沼勇治さん(39)が13日、一時帰宅した。

 看板は「老朽化で落下の恐れがある」として町が撤去を決めた。しかし、大沼さんは現在地での保存を求めて3月18日から署名活動を始めた。「原発事故を忘れないためにも撤去しないでほしい」と訴えている。

 双葉町で生まれ育った大沼さんの自宅は看板のすぐ近く。美しく咲いた桜を熱心にビデオで撮影した。一緒に県外に暮らす古里を知らない1歳と3歳の子どもたちに見せるつもりだ。【佐々木順一】

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