きまぐれな日々

 統一地方選は全国的には自民党、大阪では維新の強さが目立つという結果になった。

 年初に起きた自称「イスラム国」による日本人人質事件で安倍晋三が強気を貫いて人質2人を見殺しにして以来、それまでわずかながら長期低落の傾向にあった安倍内閣支持率が下げ止まり、一昨年、昨年以上に悲惨な政治の状況になっている。

 それを実質的に援護しているのが、「リベラル」側のふがいなさである。たとえば、朝日新聞のていたらくには目を覆うものがある。

 最近目にした最悪の例は、先週末の土曜日、4月11日付オピニオン面に掲載された「耕論『右傾化』」だった。3人にインタビューしているのだが、その3人とは三浦瑠麗、平沼赳夫、さやわか。言わずと知れた極右政治家である平沼を含み、全員が「右」なのだ。「右」の人間ばかり選んで「右傾化」を論じさせるとは、悪い冗談としか思えない。まるで産経だ。

 下記に、この記事についた「はてなブックマーク」の「人気コメント」からいくつかピックアップする。

sapopopo このタイミングで、この面子の、こんな記事出てるのがまさに右傾化の証左では

kabutomutsu もはや朝日はバランス取るフリすらしないらしい

Fondriest 三バカトリオ以外のどんな感想が可能なの?箸にも棒にも掛からない幼稚な妄言/国際政治学って地政学と並んで馬鹿の吹き溜まりなの?

inumash これから憲法改正やらなにやらが政策として具体化してくる状況を分析させるのに何故このメンツなのかさっぱりわからんが、差し当たり三浦瑠麗は信頼できる論者ではないってことがはっきりわかった。

kanose この記事で三浦瑠麗氏の株がストップ安になってる

wideangle "そもそも保守主義者を名乗る人たちを含め、日本人の多くは誤解しています。尖閣諸島で日中が衝突すれば、日米安全保障条約を結ぶ米国が助けにくると信じていますが、それは錯覚です。" 平沼だなあ……


 三浦瑠麗に対する批判は、今日未明に『kojitakenの日記』の記事「朝日オピニオン面『右傾化』特集に載った三浦瑠麗のインタビューがひど過ぎる」に書いたので繰り返さない。ここでは、上記「はてなブックマーク」の「人気コメント」のうち、最後の平沼赳夫の発言に注目したい。

 確かに平沼は上記のように発言している。そして、その部分だけに関して言えば平沼は正しいと私も思う。しかし、その事実をもって、「だから日本は自主憲法を制定しなければならない」と結論づける平沼の論法には真っ向から反対だ。

 ところで、上記平沼の論法に酷似した議論が、最近一部「リベラル」たちの間で支持を集めているのではないだろうか。そう、矢部宏治の『日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか』だ。朝日新聞で池澤夏樹が絶賛していた。池澤のコラムを読んで激怒した私は、ついに矢部の本の現物を買った。「はじめに」を読んだだけで「トンデモ本」であることがわかった。読み進むにつれて怒り心頭に発した。

 まだ本の最初の方しか読んでいないが、「4年前までノンポリだった」と自称する矢部宏治は、砂川事件の最高裁判決で示された「統治行為論」を最近まで知らなかったかのように書いている。これが本当なのかどうかは疑う必要があるが、矢部と同年代で同じ地方の出身である私は、砂川事件の最高裁判決や「統治行為論」は高校の政治経済の時間に習った。しかし、それを日本国憲法第9条第2項の否定に結びつける論法は習わなかった。

 池澤夏樹は、矢部の本に書いてあることを「左折の改憲」だというのだが、それは平沼赳夫の「改憲」もとい「自主憲法制定」の議論と何も変わらないではないか。

 それで思い出すのだが、平沼赳夫は小泉純一郎によって自民党を追い出されて以来、時に「反米右翼」の主張をすることがあって(前述のように今回の朝日のインタビューでもしている)、それを取り上げて評価し、平沼を批判する論陣を張り続けていた私を指して、「平沼赳夫さんを『極右』と決めつける人がいます」と批判した「政権交代ブロガー」がいた。ブログやツイッターでは「喜八」と名乗る人間である。「政権交代論」華やかなりし時代に小沢一郎を熱烈に支持していたブロガーたちの大半は、この議論で「喜八」の肩を持った。この国の「リベラル」がいかにダメな人間の集まりであるかを如実に示している。

 そのダメさは徐々に広がり、最近では池澤夏樹もあっけなく「転向」した。朝日新聞は今年も高橋源一郎の「論壇時評」を続け、小熊英二のコラムを皮切りに、池澤夏樹のコラム、三浦瑠麗、平沼赳夫、さやわかのインタビューで「右傾化なんてなかった」キャンペーンを張るまでに落ちぶれた。

 私には、かつて「喜八」が主張していたことを、今では朝日新聞が記事にしているように見える。朝日新聞は「『右』も『左』ない新聞」と化した。もちろん、「『右』も『左』もない」とは「右翼」の別名である。
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三浦瑠麗といえば、今月の10日に発売された『文藝春秋』最新号 http://amzn.to/1CGJK6y で、舛添要一都知事や(何故か"リベラル"に受けのいい)小林節と一緒に安倍首相よ、正々堂々と憲法九条を改正せよという対談をしているんですよね。自分も昨日、その部分を立ち読みしてきたんですけど、いわゆる自民党のトンデモ憲法改正案を批判する格好をしながら、だから「立憲主義」に則った望ましい憲法改正をしろってのが対談の論旨だったんですよね。

多分、この対談を読んでそれに同意してしまう様な"リベラル"って結構いるんじゃないか、って自分は思いますね。というのも自民党のトンデモ改憲案が出た際には「『立憲主義』すら理解していない」ってのが目立っていて、寧ろ日頃は憲法改正を主張する方々でさえ憲法改正を本音ではやりたくがないためにワザとこんな案を出したのでは?という"陰謀論"さえ囁かれていたのですから。

何と言うのか、「右傾化」言説って後藤和智氏の言う様な"俗流若者論"の様に目立った現象を取り上げて解り易いが事実とは言い切れないのを大袈裟に言うのが目立ってしまってて、こういう底流での目立たない形での自壊に目が行かなくなっている・そして"リベラル"がその現象に手を貸すばかりか先頭を切ってしまっているってのを、もう少し考えるべきだと自分は考えるのですが時間上の都合で取り敢えずはここまで(失礼!

2015.04.13 09:39 URL | 杉山真大 #- [ 編集 ]

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2015.04.13 20:25  | # [ 編集 ]













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