NMB48 vs SKE48の直接対決を制したのは?
日経トレンディネット 4月13日(月)9時37分配信
2013年9月にスタートした連載「つのはず誠のヒットチャートからヒット曲を探せるか!?」を引き継ぎつつ、総合チャートであるビルボードジャパンチャートに基づいてヒット曲を探す新連載の7回目。 チャートを制し、今、本当にヒットする曲とは?
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CD(サウンドスキャンのデータ)、ダウンロード(iTunes)、ラジオでの放送回数、ツイッターでのツイート回数、そしてLook Up(CDからPCへの取り込み)回数の5要素が含まれるビルボードジャパンチャートを読み解き、ヒット曲を見つける連載の第7回目です。今月から月の前半と後半の2回にわたってヒットチャートを読み解いてまいります! またチャートを読み解く意義についての詳細は、第3回を併せてお読みください。
新年度がスタートし、東北地方でも桜が開花した4月第2週。恒例のAKB48総選挙(「41stシングル 選抜総選挙」)の立候補受け付けも終わり、松井玲奈(SKE48)や小嶋陽菜、生駒里奈(乃木坂46)、川栄李奈など2014年に上位に入ったメンバーが不出馬を表明などといった話題がメディアをにぎわせていましたが、そんな中、チャートはどうなっているのでしょう? 注目は前月から話題となっていたNMB48とSKE48のシングル同日発売対決の動向です。
データ提供:ビルボードジャパン(http://www.billboard-japan.com/)
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●NMB48 vs SKE48の直接対決を制したのは
1位はNMB48の11作目となるシングル「Don’t look back!」。3番手人気だった山田菜々の卒業、柏木由紀の兼任解除などで、大きな岐路に立つ今の彼女たちにふさわしい、NMBらしいアクティブな歌謡ポップスです。SKE48「コケティッシュ渋滞中」との同日発売対決を制しました。
オリコンでは約64万枚対45万枚で、SKE48が1位、NMB48が2位でしたが、ビルボードでは逆転しています。その理由はオリコンでは一般流通のCDに加えて、劇場盤が含まれる(しかもSKEでは劇場盤1枚につき、ミュージックカード1枚が付くため、1枚買えば売り上げは2枚とカウントされる)のに対し、本チャートでは一般流通のみのCDの売り上げ(ちなみに、NMB48が10.1万枚に対し、SKE48は8.2万枚)や、Look UpでNMB48がSKE48を上回ったからです。なおラジオ(30位前後)やダウンロード(20位台)、ツイッター(TOP5内)の勝負はいずれも僅差でした。よって5部門を総合的に集計した結果、NMB48に軍配が上がったのです。
3位には、彼女たちと同日発売のサザンオールスターズのアルバム『葡萄』収録の「アロエ」が大きく上昇しています。
●ビジュアル系からアイドル、声優、演歌まで、総合ヒットでは結構バラつきが
今週は、1位から3位までがいわば“年度末決算リリース”。これに加え、季節の変わり目ということもあって、初登場が目白押しでした。以下、好調要因別に見ていきましょう。
まず、CDヒットによる初登場は、1位&2位のAKB関連2組に次ぎ、4位のビジュアル系バンド己龍(きりゅう)のミュージックビデオがグロテスクすぎる(しかし、だからこそファンからは喜ばれているのかも?)と話題の「九尾」。11位のアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ」内のユニットCANDY ISLANDによる「Happy×2 Days」。17位と21位には人気アイドルグループの℃-ute「The Middle Management〜女性中間管理職〜」と風男塾「瞬間到来フューチャー」。20位にベテラン声優の田村ゆかり「好きだって言えなくて」。そして27位にこれで12年連続のヒットとなる演歌界の“ご当地ソングの女王”、水森かおり「大和路の恋」。いずれも、CDランキングではTOP10級の常連ですが、総合ヒットでは結構バラつきが見られます。
●ゆず「OLA!!」はクレヨンしんちゃん効果でロングヒットする?
次に、ダウンロード発では、13位のナオト・インティライミ「いつかきっと」と24位のゆず「OLA!!」が登場。前者は、資生堂「SEA BREEZE」CMソングです。広瀬すず&中川大志出演のミュージックビデオの清涼感から今後確実に伸びるでしょう。後者は映画『クレヨンしんちゃん オラの引越し物語』主題歌の元気で楽しい歌です。もしかしたら2年前の同枠タイアップだったSEKAI NO OWARI「RPG」同様に、子どもたちから長く愛されるかもしれません。
また、ラジオ発のヒットで4人組ロックバンドgo!go!vanillasの1stシングル「バイリンガール」が19位に(爽快なポップロックでさらなるブレイクの予感!)、twitter部門の1位で、5月13日発売の嵐の次のシングル「青空の下、キミのとなり」(メンバーの相葉雅紀主演のフジテレビ系ドラマ「ようこそ、わが家へ」主題歌)が早くも総合25位にランクインするなど、本当に今週は幅広いヒットが控えていて、今後が楽しみです。