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建設現場で重い荷物運び手伝うロボット
4月13日 16時07分

建設現場で重い荷物運び手伝うロボット
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建設現場で働く作業員の高齢化が進むなか、住宅事業などを手がける「大和ハウスグループ」は、重い荷物を持った際に腰にかかる負担を軽減する装着型ロボットを住宅の建設現場などに試験的に導入することになりました。
マンションの建設現場などに試験的に導入されるのは、つくば市のベンチャー企業が開発した腰に付ける装着型ロボットです。このロボットは、脳から筋肉に送られるごく弱い電流を、腰につけた小型のセンサーで読み取り、モーターが腰を伸ばす運動を助ける仕組みです。
20キロの荷物を持ち上げる際、負担を最大で40%減らすことができるうえにロボット自体が3キロ程度のため、長時間付けたままで作業ができるということです。
大和ハウスグループは、13日の記者会見で、装着型ロボットを来月から建設現場や工場に10台導入して木材など重い部材を運ぶ作業などで活用し、効果を検証したうえで、来年5月の本格的な導入を目指すと発表しました。
大和ハウス工業の中岡一郎技術部長は「建設業界では作業員の減少と高齢化が課題になっている。重たい荷物を持つ負担を軽減し、作業環境を向上させることで、作業員が長く働き、若い人が多く業界に入ってくれることを期待している」と述べました。

介護や建設の現場で期待 市場拡大も

装着型ロボットは、少子高齢化により労働人口が減る日本でさらに導入が進むと見込まれています。今回の装着型ロボットを作った茨城県つくば市のベンチャー企業「サイバーダイン」は、20年以上前から開発を進めてきました。
このうち、平成20年に製品化した歩行を助ける装着型ロボットは、高齢者施設など全国およそ160の施設で、歩行が困難になった患者のトレーニングに活用されています。
去年からこのロボットを導入している東京・国立市のリハビリ施設では、脳梗塞で右半身が不自由となったという男性らがロボットを使って歩行のトレーニングを行っています。一方、職員の負担を軽減するため腰への装着型ロボットを導入する介護や建設の現場も増えています。
介護の現場では、お年寄りを抱える作業で腰痛になる職員が多いということで、このロボットを導入することで職員の腰への負担を軽くしたいとしています。
また建設現場では、ピークだった平成9年に455万人いた作業員が去年は341万人まで減っていて、少子高齢化により今後一層の人手不足が懸念されています。業界の関係者は、装着型ロボットの導入が広がれば建設現場での女性の活用にもつながると期待しています。
今後は、農業や運送業などでもロボットの普及が進むことを見据えて、ほかの企業も装着型ロボットの開発に乗り出していて、民間の調査会社「シード・プランニング」は、装着型ロボットの市場規模が去年の3000万円程度から、5年後には342億円まで拡大する予測しています。

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