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 12日に投開票された統一地方選の前半戦で、橋下徹代表が率いる大阪維新の会は大阪府議選(定数88)で第1党を守りながらも過半数に届かなかった。「絶対、落としたる」「絶対、勝たなあかん」。大阪都構想を巡って維新と激突した自民、公明両党も目標の過半数は得られず、決着はつかなかった。

 「大阪府と大阪市の二重行政に対してノーを突きつける結果だと重く受け止め、住民投票に向けて全力を尽くしていく」

 維新現職の今井豊氏(58)は、府議選の貝塚市選挙区(定数1)で自民新顔を破り、4選を果たした。

 維新の設立前年の2009年に松井一郎・現維新幹事長(大阪府知事)らと自民党府議団を離れ、当時、大阪府知事だった橋下徹代表を支援する新会派「自民党・維新の会」を6人で立ち上げた。現在は、都構想案(協定書)をまとめた法定協議会の会長を務める。

 維新にとって、4年前の前回統一選で過半数を獲得した府議会は、都構想推進の足場となってきた。今回の選挙戦でも最も力を注いだ「最前線」だ。

 府議選の大阪市住吉区選挙区(定数2)では、維新新顔の河崎大樹氏(43)が初当選を決めた。「住民投票に向けて、できることはすべてやる。選挙以上に大変になる」と語った。

 橋下氏の高校ラグビー部時代の後輩で、橋下氏が大阪府知事時代に特別秘書に起用するなど、「右腕中の右腕」と評される。前回統一選で大阪市議に初当選したが、今回は維新の空白区となっていた住吉区選挙区にくら替えした。

 その府議選で、維新の松井幹事長が「絶対、落としたる」と周囲に語っていたのが、自民現職で党府議団幹事長の花谷充愉(はなやみつよし)氏(52)だ。反都構想の論陣を引っ張ってきた中心人物。大阪市都島区選挙区で維新の新顔と一騎打ちとなった。