前回に続いてアジアインフラ投資銀行(AIIB)について――。
中国主導で設立されるAIIBの創設メンバー国になることを見送ったのは、参加申請期限の3月31日時点で主要7ヵ国首脳会議(G7サミット)構成国では日本、米国、そしてカナダであった。
今週になってイランとアラブ首長国連邦(UAE)が新たに参加を表明、AIIB参加国・地域は50ヵ国を越えた。そして日本以上に「対米追随」とされるカナダも参加する意向だという。
日米の大物が「AIIB不参加への批判」を公言
注目すべきは、日中財務対話が6月上旬に北京で開催されることが明らかになった4月6日、まさにこのタイミングを見計らっていたかのように福田康夫元首相が明治大学で開かれたシンポジウムで講演し、「先進国として拒否する理由はない。(拒否すれば)途上国いじめになるかもしれない。基本的には賛成せざるを得ない案件だ」と述べ、AIIB参加を検討すべきだという認識を示したことである。
そしてほぼ同じ頃の5日午後(米国東部時間・日本時間6日未明)、ローレンス・サマーズ元米財務長官(ハーバード大学教授)がブログに「(AIIBについて)過去数ヵ月は、米国が世界経済システムの保証人としての役割を失った節目と記憶されるかもしれない」と書き、事実上、米国の不参加を「失敗」と位置付けた。
それだけではない。サマーズ氏はその中で「中国のAIIB設立努力と、米国による同盟国説得失敗が重なった。ブレトンウッズ体制(第2次大戦後、国際通貨基金=IMFを設立するなど米国主導の金融秩序)確立以降、これほどの出来事はなかった」と断じているのだ。
さらにジム・ヨン・キム世界銀行総裁も6日(現地時間)、ワシントン市内で講演し、「(AIIBが)必要なのは疑いがない。喜んで提携していく」と述べ、世界銀行が設立と運営に協力する意向を明らかにしている。
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