(女官)「春の野に集いし宴の都人歌につられで浮かれぬるかな」「あけぼのの比叡にかかれる薄霞鴨の流れを越え来ゆるかも」
(カメラのシャッター音)
(カメラのシャッター音)
(狩矢和美)ちょっと夏目君。
何うっとり見てんのよ!?
(夏目利彦)うん?いやきれいだなぁと思って…。
取材で来てるんだからね。
さっさとフィルム取り替えてよ。
何で俺がやらなきゃなんないんだよ。
せっかくデートの代わりに誘ってやったのに。
誘ってやった?よく言うわよ。
3週間も放ったらかしだったくせに恩着せがましい事言わないで。
だから仕事が立て込んでたんだっていうの。
仕事を会えない理由にするようになったら恋人同士ももう終わりよね。
和美…。
早くフィルム!わかったよ。
デジカメぐらい買えよな。
何よ。
私はフィルムが好きなの。
はいはい。
早く!わかったよ。
(カメラのシャッター音)「往き人の便りを待ちて都鳥流るる鴨の水ぞ冷たき」
(カメラのシャッター音)あれっ…!?涼子さんだ。
何だ知り合いか?前に「銀座VS祇園」っていう特集記事の取材で東京に行った時にお世話になったホステスさん。
ふう〜ん。
「銀座VS祇園」か…。
それは楽しそうだな。
よしうちの新聞でもそういう企画…ちょっと。
涼子さん。
(沢田涼子)あっあ〜ら和美さん。
はいお久しぶりです。
こんなところで会えるなんてうれしいわ。
その節はお世話になりました。
いつ京都に?もう3年になるの。
3年?旅行でいらしてるんじゃないんですか?ええ。
あの後すぐ銀座を辞めて京都に来てね。
今ここでお店をやってるの。
「フローラ」。
フローラ…?何よ?いや祇園の超一流クラブだよ。
超一流!?そんな事ないんだけど…。
会社の同僚って感じには見えないわね。
恋人?ええ一応…。
一番が仕事で私は二番目らしいですけど。
おいっ…。
彼新聞記者なんですけど今日は偶然私の取材と彼の取材が重なってついでにデートしてるんです。
ついでって事はないでしょうけど。
新聞記者さんなんですか?ええ。
あっ夏目と言います。
沢田涼子と申します。
よろしく。
こちらこそ。
今日はお店の皆さんで曲水の宴を?ええ。
常連のお客様と一緒に。
みんな紹介するわね。
カメラマンの狩矢和美さんと新聞記者の夏目さん。
和美さんは銀座にいた頃のお友達なの。
はじめまして。
よろしく。
(アキ)銀座にいた頃というと和美さんもホステスだったんですか?いいえ。
私は接客業なんてできませんから。
おきれいなのに。
そうですか…。
ありがとうございます。
ちょっとやっちゃう?お世辞だよ。
何でよ!
(ホステス達の笑い)涼子さん私達仕事中なんでまた後で。
ええ。
皆さんお邪魔しました。
どうも失礼します。
おいっすごいぞ和美。
何がよ?一緒にいる人達さ。
常連のお客さん達?ああ。
京洛病院の高岡院長。
日本画家の西川洛泉。
それからみやこ百貨店の荒井社長。
3人共その世界の実力者達だよ。
へえーそうなんだ。
さすが涼子さん銀座でもナンバー1だったから。
(高岡康祐)ひぃー!ああー!高岡先生!?高岡先生!?はっ!
(カメラのシャッター音)
(カメラのシャッター音)
(真央)先生…!?高岡先生!?高岡先生高岡先生…。
誰か救急車!
(西川洛泉)院長!
(荒井義幸)高岡さん高岡さん。
高岡先生!?先生!
(パトカーのサイレン)
(カメラのシャッター音)
(橋口刑事)警部。
ガイシャは京洛病院の高岡院長です。
(狩矢警部)京洛病院の…。
はい。
毒物か?鑑識によるとおそらく青酸性の毒物だろうという事です。
(カメラのシャッター音)鑑識だ。
はい。
目撃者は?高岡院長と同行してた人全員が突然苦しみ出したの見てますね。
(パトカーのサイレン)和美!?お父さん…。
お前一体どうしてここに?お義父さんご無沙汰してます。
夏目君まで。
私達仕事で来てたの。
私達!?おい橋口この2人の事情聴取は?まだです。
じゃあさっさと済ませて早く追い返せ。
あっねえちょっとお父さん。
ええっ?でもさ犯人はどうしてわざわざこんな人がいっぱい集まる場所で毒殺したのかしら?はあ…そこだな問題は。
犯人は意図してこの場所と時間を狙ったのかあるいは…。
和美!事件に首を突っ込むなって言ったろ。
でも私現場の証人だし何か重大な事を見てるかもしれないわよ。
重大な事!?何か見たのか?ううん。
思いつかないけど。
お前…。
ははは…。
おい何がおかしいんだ。
君だよ!君君!!あっすいません。
(ため息)
(アナウンサー)「この問題を継続審議とする模様です」
(アナウンサー)「では次のニュースです。
昨日京都市の松小路公園で…」
(狩矢澄江)和美。
お味噌汁お願いね。
はーい。
(アナウンサー)「京都府警の検視解剖の結果体内から毒物が検出されたと発表がありました」「昨日の午後1時頃松小路公園では…」ねえお父さん。
毒物ってどこに入ってたの?はあ…お前には関係ない。
それによって誰が入れる事ができるか限られるわよね。
和美…。
容疑者はもう浮かんだ?お前にいちいち報告する義務はない。
フローラって店のホステスさん達も怪しいのかな?和美。
お前は刑事か?他にやる事はないのか?何よ。
せっかく一般市民が警察の捜査に協力しようとしてるのに。
協力!?お前のはなぁ口うるさく邪魔してるだけだ。
邪魔とは何よ!あっもう教えてあげない。
何をだ?知らない。
お前何か知ってるのか?あなた和美と何年付き合っているんですか?嘘ですよ。
嘘!?うふふふ…。
知ってたらちゃんとお父さんに報告しますよねぇ。
どうかしら〜。
和美。
さあいただきましょう。
朝から親子ゲンカはよくないわ。
いただきます。
いただきまーす。
(橋口)松小路公園ではクラブフローラ主催による曲水の宴が行なわれてましたが見物人はフローラの顧客とその縁者取引先の関係者に限られてました。
被害者は京洛病院院長高岡康祐52歳担当は外科。
死因は青酸性毒物による急性中毒死。
毒物の入った遺留品などはなく同行者の所持品からも毒物は発見できませんでした。
毒物をいつ飲んだかは?
(橋口)目撃者によると何かを飲んだ訳でもなくいきなり倒れたという事です。
弁当や飲み物には?いずれも毒物は混入されてなかったそうです。
被害者が所持していたピルケースのカプセルは?高岡院長は肝臓を悪くしていつも薬を常備していたそうなんですがあのピルケースの中のカプセルに毒物はありませんでした。
それじゃまず被害者高岡康祐の怨恨関係を調べよう。
それと同時に曲水の宴に同行していたクラブフローラのママ沢田涼子及びホステス全員もう一度事情聴取だ。
(一同)はい。
橋口。
はい。
フローラには高岡院長担当のホステスがいるはずだ。
はい。
一応フローラの従業員全員の履歴書をもらってきたんですがこの本名川島央子。
源氏名真央というホステスが高岡の担当だったそうです。
当たってみてくれ。
・
(チャイム)
(チャイム)川島さんいらっしゃいますか?留守か…。
(山野美野里)狩矢グッドタイミングで取材したなぁ。
よう撮れてるわ。
ええ。
でも怖かったんですよ。
突然倒れられて。
(中川清志)お待っとうさん。
お昼でっせ。
(美野里)あっダーリンうれしいわ!出し巻き入れといてくれた?当たり前やがな真ん中に愛情たっぷり巻き込んでまっせ。
あはは…!いやあうれしいわ。
狩矢!早う写真片づけてもうちゃっちゃと…。
はいはい。
もうデレデレしちゃって。
まだ仕事見つからないんですか?早く見つけて働いたらどうですか?はいはい。
あれっ!?これ昨日の毒殺事件の?これ実にグッドタイミングやがな。
よう撮れてるがな。
ありがとうございます。
さすが美野里ちゃんの部下だけの事あるなぁ。
せやろ!うちもそう思うねん。
えへへへ…。
何だそっちか…。
あれっ!?何?これ何やよマルかな…?うん。
ここここ…。
ホンマや。
何やろこれ?うん。
ホントだ。
全然気がつかなかったけどアルファベットの「O」かな?いや数字のゼロかも知れへんで。
ひょっとしたらダイ二ングメッセージと違うか!?ダイイングメッセージ…。
ダイイングメッセージ…?うん。
この殺された人が死ぬ間際に犯人のほら名前とか何かこうぐっと…。
小説によくあるでしょうが…。
あれあれ。
…っていう事は犯人はイニシャルOの人…!?ほうほう。
ああさすがダーリン!なあ狩矢これは売れるで!取材続行!はい。
行ってきます。
行ってらっしゃい。
うふふ…。
狩矢気張ってや!行ってらっしゃい。
行ってらっしゃーい。
高岡院長の指のところOに見えない?うんホントだ。
高岡院長はあの苦しみの中で犯人を伝えたかったのよ。
うん他のは?それ1枚しか写ってないの。
ほらここ。
同じ場所だけど写ってない。
うん。
という事は…。
大騒動だったから誰かが知らずに踏んづけて消しちゃったのね。
いや意図的に消す事もあるよな。
意図的?うん。
例えば犯人がそこにいたらさ。
そうか。
自分の事を書き残されたと思って…。
警察が来る前に慌てて消したと…。
となると犯人Oはあそこにいた事になる。
Oか…。
そうなるとフローラのホステスさん達やお客さん達を調べるしかないわね。
まあそういう事になるけどさそんな事したらまたお父さんにどやされるぞ。
それに殺人事件なんだから変に首を突っ込むと危険だ。
そんな事でビクビクするような狩矢和美じゃないのよね。
あっ。
これは私のスクープなんだからね。
新聞に載せたら承知しないから。
わかってますよ。
(立花)社長がお待ちなんだからな。
ああ!お越しやす。
お連れさんお待ちどすえ。
(立花)お世話になります。
お越しやす。
おおきに。
社長どうも遅れまして…。
央ちゃん。
すいません。
立花さんとこヘルプ回ってちょうだい。
はい。
ちょっと失礼いたします。
お越しやす。
ああどうも。
真央と申します。
お邪魔いたします。
(グラスの割れる音)あっ!いやあごめんなさい。
立花さん大丈夫ですか?ああこっちは濡れてないから。
誠に申し訳ありません。
真央さん大丈夫?立花さん申し訳ありません。
いやいや真央ちゃんこそ大丈夫?央ちゃん堪忍な。
シミになりそや。
奥でシミ抜きせんとな…。
ええ。
・
(ホステス達の話し声)お疲れ。
お疲れさま。
アキさん待って!何?さっきわざとやったでしょ!私がヘルプにつくのがおもしろくないって事?何の事?あんな事しなくったってあなたのお客さんなんか取る訳ないじゃない。
バカ言わないでよ。
あんたなんかに私のお客さんが取れる訳ないでしょ。
そんな心配カケラもしてないわよ。
(真央)何ですって!?ちょっと!2人共いい加減にしなさい。
でもさっきママも見たでしょ。
アキさんが私のドレスにわざと水かけるの。
ふふふ…。
別にわざとじゃないわよ。
とにかくお店の前で恥ずかしいでしょ。
ケンカするなら中に入って。
私が話を聞くから。
私は別にケンカなんかする気ないし…。
じゃあママおやすみ。
アキちゃん仲直りしてから。
私も帰ろう。
おやすみなさい。
央ちゃん!オーちゃん!
(ため息)
(カメラのシャッター音)
(カメラのシャッター音)
(橋口)昨日はご協力ありがとうございました。
いえ。
あの…ちょっとよろしいですか?はい。
では。
真央さんは高岡院長の担当だって伺ったんですが間違いありませんか?ええ。
高岡院長最近お店にいらしてどうでしたか?何かトラブルを抱えてらっしゃる様子だったとか悩んでいらっしゃるとか何か気がついた事ありませんか?いいえ。
高岡先生はいつも明るくて冗談ばっかり言う方なんでそういう事は全然…。
そうですか…。
あの失礼ですが高岡院長とはお店で接客するだけの関係だったんでしょうか?えっ?あっいやつまりその特別な関係にあったかどうかって事なんですがね。
そんな事ありません。
仕事ですからそういうふうに見える事もあったかとは思いますが…。
ああそうですか…。
あのよろしいでしょうか?昨日の今日でちょっと疲れてしまって家へ帰って早く休みたいんです。
ああお手間を取らせてすいませんでした。
どうぞゆっくり休んでください。
失礼します。
はいどうも。
歯切れが悪いな。
高岡院長との関係を調べろ。
はい。
真央ちゃんと高岡先生?ええ。
客とホステス以上の関係じゃないかって小耳に挟みましてね。
実際どうだったんでしょうね?あったんじゃないですか?あの娘成績上げるためなら何だってやる娘だから。
そのお2人の間にトラブルがあったような様子は?噂でなら聞いた事あるけど。
どんな?真央ちゃんが高岡先生に自分のお店を持たせてほしいって頼んだらしいの。
ほう店を?でも高岡先生もさすがに院長っていう立場もあるしそれはできないって言ったんでしょうね。
雰囲気悪くなった時あったから。
そうですか…。
(チャイム)
(チャイム)こんにちは。
真央ちゃんに何か?ええちょっとお訊きしたい事があったんですがお留守のようで。
ママさんは?電話をしても連絡が取れないので具合いでも悪いのかと思って来てみたんですけど。
連絡が取れないっていつからですか?今朝からです。
昨夜お店でちょっとしたトラブルがあったので一緒にランチでもしながら話そうと思ってたんですけど連絡が取れなくて。
トラブルというと?あっそれは大した事ないんです。
よくあるホステス同士の争いですから。
ああそうですか。
気分転換に映画でも観てるのかしら?警部。
おう。
真央のほうはどうでしたか?ああ留守だ。
留守?妙ですねこんな時に。
友人知人関係を当たってみてくれ。
わかりました。
そっちは?彼女高岡院長だけではなく画家の西川洛泉とも関係があったって噂があるんです。
西川?現場にいたな。
ええ。
真央と高岡院長と西川画伯が三角関係だったっていう事も考えられますよね?うん…。
あっそれからみやこ百貨店の荒井社長なんですが高岡院長と2人で新病院設立の話があったんですがなぜか決裂したそうです。
どっちがダメージ受けた?荒井社長のほうです。
なるほど。
となると思惑のある3人が一堂に会して短歌を楽しんでいたって事か。
ええ。
はあもう一度当たってみるか。
はい。
(チャイム)真央と私が?申し訳ありません。
そんな噂があったもんですから。
という事は私が真央を争って高岡院長を殺したとでも言いたいのかね?ああいえ。
何かトラブルでもなかったかと思いまして…。
何もないよ。
彼は私の主治医でもあるしそれにクラブのホステスの事で争うほど私は若くはない!ああそうですか…。
(ため息)出資話ですか?あれにはまいりました。
どういういきさつでダメになったんでしょうか?契約直前だったんですが条件面で決裂したんです。
高岡さんっていう人も医者のくせになかなかのビジネスマンでしてねぇ。
なるほど。
しかし契約直前となると金銭的なダメージもかなりあったんでしょうね?ええ。
準備に金をつぎ込みましたしね。
ああそれじゃあ荒井さんとしてはおもしろくありませんな。
確かにそうですけど…。
刑事さんまさか私が高岡さんを殺したとでも言うんじゃないでしょうね?ああいや…。
そういう訳じゃありませんがね。
高岡さんを殺したところで私は一銭の儲けにもなりませんよ。
はあ…。
お休みのところごめんなさい。
(涼子)いいえ。
あんな事があった後だから1人でいるのが嫌だなぁって思ってたところなの。
昨夜真央さんをオーちゃんって呼んでましたよね?ちょうど通りかかって聞こえたんですけどどうして真央さんがオーちゃんなんですか?以前ねお店に麻代って娘がいてね真央と麻代だと紛らわしいからって高岡先生が真央ちゃんを央ちゃんって呼び始めたの。
高岡院長が?ええ。
それが何か?いえ。
珍しい呼び方だなぁと思って。
そうね。
他にお店のお客さんかホステスさんにOのイニシャルの方っていますか?イニシャルOの人?そうね太田さんに小川さんに沖山さん。
それから大島さんに岡田さんに小島さん。
たくさんいらっしゃるけど?その中で高岡院長と親しかった方いらっしゃいますか?ちょっと和美さんどういう事?イニシャルOの人がこの事件に関係があるっていうの?それはまだよくわからないんですけど…。
そうだ和美さん。
はい。
実は私もあなたに相談したい事があるの。
何でしょうか?実はねその真央ちゃんが連絡が取れなくなっちゃってるのよ。
真央さんが?今までこんな事一度もなかったんだけど…。
心配ですね…。
高岡院長の事件があった後だし…。
和美さん助けてくれない?助ける?ええ。
真央ちゃんを捜したいんだけど…。
わかりました。
できる限りやらせていただきます。
ありがとう。
お待たせしました。
抹茶と和菓子のセットになります。
うわ〜かわいい!食べちゃうのがもったいないぐらい。
うふっあら!えっ?妹と同じ事言ってる。
妹さん?ええ。
妹もねこの和菓子を初めて見た時に同じ事を言って…。
あっそれから2人で花氷を作ったの。
花氷?ええ。
いろんな花を水の中に入れて冷蔵庫で凍らせたの。
妹と2人で。
かわいい〜。
花氷?ええ。
いい思い出ですねぇ。
涼子さん妹さんいらしたんですね。
いいなぁ私は1人だから姉妹ほしかったなぁ…。
そう?妹さん今どちらに?うん…あっじゃあいただきましょうか。
はいいただきまーす。
いただきます。
うんおいしい!おいしいわねぇ。
あっ和美さん真央ちゃんの事お願いね。
はい。
何とか頑張ってみます。
あっそうだ。
1つお願いがあるんですけど。
お願い?何?ええと頼みにくいんですけど…。
(美野里のため息)絶対狩矢にはホステスは無理や。
ホステス?ああ〜もうこれやこれ。
ああ〜あかんがな。
あの娘には無理や。
色気ないもん。
あんたもそう思うやろ?うちやったらまだしもなぁ〜?まぁな美野里ちゃんやったらな!ホステスできるやろか?当たり前やがな。
すぐにナンバー1やないかいな!ええ〜!そやろか?そやろか〜!いやまぁな歳と美貌には自信があんねやけどまっ子持ちじゃちょっと無理かな〜?思うてな。
何を言うてんねん。
引く手あまたやて。
えっ?そやろか?うん!う〜んうれしいわ〜!ちょっちょっ待った待った。
えへへ〜!うふふふ!うーん!今日から入らはる香澄さんです。
香澄です。
よろしくお願いします。
(一同)よろしくお願いします!やっぱりカメラマンだけでは食べていけへんのやねぇ。
えっ?あっええ…。
ああいうのって特別な才能必要やしねぇ。
カメラ持ったら誰にでもできるってもんでもないし。
はあ…。
アキさん真央さんから連絡なかった?いいえ。
あっそう…。
あの娘もう他のお店に移ったんと違いますか?
(ピアノ演奏)
(美絵)ほら力抜いて。
はい…ありがとうございます。
あそこの洛東銀行の原口支店長。
今央ねえさんがいてはらへんさかい狙い目え。
原口支店長と真央さん…。
原口支店長が入れ込んではったんよ。
ママから何も聞いてへんの?ちゃんと把握しておかんとひどい目に遭うえ。
そんな…。
香澄さんこちらへ。
はーい。
今日から入りました香澄です。
(原口耕作)ママ1番に紹介してくれるなんてうれしいな。
香澄ちゃんか。
えらいべっぴんさんやなぁ。
おおきに。
よろしゅうお願い申し上げます。
近くで見たらもっとべっぴんやなぁ。
いやぁ荒井さんお越しやす。
どないしはりましたん?まったく警察にはあきれて物も言えない。
私がお誘いしたばっかりに事件に巻き込まれてしもてほんまに堪忍どすえ。
ママは謝んなくていいんだよ。
ああ…お詫びいうたら何ですけど今日お店の3周年記念のパーティーで配るお品をすべてみやこ百貨店に発注させていただきました。
ケータリングもお願いしましたし。
荒井社長!おっ原口さん。
先日は本当にありがとうございました。
いやいや…。
よかったらご一緒にどうぞ。
あっそうか。
どうぞどうぞ。
アキさん香澄さんほら座って座って。
はい。
社長さんお久しぶりです。
おお…。
社長さんがお越しになるんやったらお着物にしたらよかったわ。
「新品の着物に袖を通したい!」なんて言うんじゃないだろうな。
知らんぞ私は。
いいやん!冷たいわぁ。
けどいつかそういう日も来るかと思うて楽しみにしてますえ。
香澄ちゃんこの後寿司でも食べに行こうか。
焼肉のほうがいいか?いいえお腹空いてませんから。
そう?じゃあカラオケか。
それとも場所を変えて落ち着いて飲み直そうか。
ちょっと…困ります!どういうつもりなのあなた。
えっ?ここでは嫌な事でも嫌な客でも笑顔で返す。
うまく断るのも最高のもてなしなのよ。
いくら新人だからってそんな事も知らないでお店へ出ないでくれる?すいません…。
二度とあんな事したら許さないからね。
アキちゃん香澄さんはこの仕事初めてなんだし。
初めてで許される事ではないから言ってるんです。
ママだって私をこの店に引っ張ってきて毎晩毎晩うるさいぐらい叱ったじゃないの。
そうだけど。
あれはただのいじめだった訳じゃないでしょ?もちろんアキちゃんのためよ。
だったらこの子にもビシビシやったら?さっきみたいな事があったらほんまに私お店辞めますから。
アキちゃん…。
ああ…。
涼子さんすいません。
いいのよ。
1つずつ覚えてね。
はい。
(美絵)大丈夫やった?アキさんに叱られてはったやろ?ええ私がダメだから…。
(成美)一応みんな叱られるのよアキさんには。
(由梨)頭にくるけどアキさんがナンバー1やしアキさんがいんようになったらフローラも大変やさかいな。
そう。
そやからみーんな我慢してるんやけど。
はっきり言って性格悪いわよね。
真央さんとも仲が悪かったんですか?もちろんや。
アキさんの足元脅かすんは央ねえさんぐらいしかおらんかったからな。
足元ってナンバー1の?そう。
けどどこ行かはったんやろ央さん。
央さん高岡さんに店出してもらう予定が狂ってショック受けちゃったのかな?じゃあみんなも央さんがどこへ行ったのか全然見当がつかないんだ?うん…。
お待っとさんでしたー。
わぁーおいしそう。
お腹減ったなぁ。
いただきまーす。
おう!あっ夏目君どうだった?ああ川島央子源氏名真央の出身は長崎県の平戸。
もう3年近く帰ってないらしい。
友人らしい友人もいないようで頼れるところもなさそうだな。
そうなんだ…。
いやしかしこんな時に行方不明になるなんて自分が高岡院長を殺した犯人ですって白状してるみたいでさ何だか納得いかないんだよなぁ。
そうなのよね。
一応お店を持たせる持たせないで揉めていた動機もあるし…。
ああそうなんだ。
あっ夏目君この後ちょっと付き合ってくれない?昨日お店で頑張ったから疲れちゃって…。
うん…うん?何だ店って。
ホステス!?虎穴に入らずんば虎児を得ずよ。
真央さんを捜し出す手掛かりを見つけなきゃならないし高岡院長殺害の犯人も見つけなきゃならないし。
ダメだよもう。
君は刑事か?刑事の娘。
冗談言ってる場合じゃなくてさ。
あっすいません。
何で君が犯人捕まえたり行方不明のホステス捜したりしなきゃいけないんだよ。
そういう運命なのよねぇきっと。
まったく…お父さんに叱られても知らないからな。
そのうえホステスだなんて…。
ばれたらお父さんぶち切れるぞ!ばれなきゃいいのよ〜。
お疲れさま。
お疲れさまです。
お疲れー。
お疲れさまです。
お疲れさまー。
お疲れさまでした。
真央さん今日も来ませんでしたね。
う〜んアキさんが言うように他のお店に移ったんかなぁ?でも真央さんフローラ長いし結構気に入ってたみたいだからそんなの考えらんないんじゃない?そやなぁ。
やっぱ高岡先生殺したん真央さんやったんやろか?そうなんかなぁ…。
高岡先生の事でショック受けてどっかで休んでんのかもしんないし。
「温泉!」とか言って。
温泉か…それやったら別荘行くかもしれへんな。
別荘…?真央さん別荘持ってるんですか?高岡先生が家族に内緒で借りてる別荘。
高岡先生が?央ねえさんその別荘の鍵持ってて「休養したくなったらいつでも行っていいよって」言われたって言うてはったから。
その別荘どこにあるんですか?確か琵琶湖のほうの…。
湖東岡山町って真央さんから聞いた事あるえ。
琵琶湖…。
「うみはひろいなおおきいな」夏目君湖よ。
うん確かに…。
でもわかるなぁ。
うん何が?ホステスの仕事に疲れたらここへ来るっていう真央さんの感じ。
そうなの?大変なのよ。
お客さんの相手しながら女同士の争いもあるし。
うん…だろうな。
だからきっと疲れたらこの海みたいな琵琶湖を見に来るんだろうなぁって。
ふ〜ん。
(口笛)ここか。
(ノック)ダメだ。
和美こっちは?真央さーん?真央さーん?真央さん!えっ?えっ!?ちょっと…ダメだ。
よし…。
真央さん!どう?ダメだ。
警察…。
ああ。
ああもしもし大至急来てもらえませんか?人が死んでるんです。
場所は湖東岡山町3番地。
そうです。
京都の京洛病院の高岡院長の別荘です。
私は全日新聞の記者で夏目といいます。
とにかく大至急お願いします。
密室か…。
(パトカーのサイレン)それで仕方なく窓を割って入ったんです。
(山岡刑事)そうですか。
ご苦労さまです。
滋賀県警の山岡です。
ああご苦労さん。
和美またお前か!警察が遅いから私達が発見しちゃうんじゃない。
まったくもう…。
ガイシャの身元ですが持っていた免許証から川島央子ではないかと思われます。
川島央子…。
真央さんよ。
わかってる!はあ…死因は?毒物でないかと思われ…。
君に訊いちゃいない!夏目君に当たらないでよ!当たっちゃいない!あの2人の事情聴取は?はあ一応済ませました。
じゃあ帰んなさい。
邪魔だ邪魔だ。
ほら帰んなさい。
まだ肝心な事話してないの。
何をだ?この部屋密室だったの。
密室?鍵は本人が持ってました。
…とすると自殺ですか?高岡院長を殺害し自責の念に駆られての後追い自殺…。
涼子さん!どなたですか?私が呼んだんです。
真央さんのお店のママさんです。
余計な事を。
だって涼子さん真央さんがいなくなってからすごく心配してたから…。
真央ちゃん!どうしてなの!?真央ちゃん!真央ちゃん…真央ちゃん…。
さあ答えろ。
どうしてあそこにいたんだ?話せば長いのよ。
長くてもいいから話しなさい。
そう?あのねまずこれなんだけど…。
うん?和美お前…いつの間にこんな写真を?お父さん達が来る前。
それよりここ見てここ。
うん?高岡院長の指先地面にOって書いてあるでしょ。
おおー…確かに。
真面目にやってよお父さん。
真面目だよ!これダイイングメッセージじゃないかと思ってオーかゼロかマルって関係者いないか捜してみたの。
ああそれで?それでフローラのホステスの真央さん央ちゃんって呼ばれてたの。
その央ちゃんが高岡院長の別荘にいるんじゃないかっていう情報をつかんで行ってみたら…。
死んでたって訳か。
うん…。
お前などうしてそういう事をすぐに警察に連絡しないんだ。
事件に首突っ込むなって怒鳴られるから…。
お前…。
ふふふっ…。
もういい。
これ預かっとくぞ。
熱いですから。
うん。
アチッ!だから…。
じゃお風呂入ってくるね!おい!
(ため息)まったく…。
あんまりカッカしないでくださいね。
和美の奴いつまでここにいるんだ?ここって自分の家ですもの。
いつまでいてもいいじゃな…。
よかない!もうさっさと結婚させろ。
そんな事…。
和美に言ってくださいよ。
私が言っても聞きやしないんだ。
あのはねっかえりが。
あっ…じゃあ夏目さんに言ったら?夏目君ね…おいメモと鉛筆。
(澄江)メモと鉛筆?これでいいですか?うんよし。
何ですか?あああいつにな話す事をまとめとこうと思ってな。
あいつって夏目君?うん。
よし…。
娘に事件に…。
《首を突っ込まさせないようにしてほしい》《できるなら仕事も辞めさせてもらいたい》《私もそろそろ孫の顔が見たいし和美ももういい加減いい歳だしこの際結婚の相手として夏目君が…》よしと。
・
(仲居)失礼します。
・夏目です。
ああどうぞ。
ははっ。
失礼いたします。
ははっさあさあどうぞ。
本日はおっ…お招きに預かりまして誠に…誠にありがとうございます。
ははっそんなに緊張せんでもいいから。
(2人)はははっ…。
今日はねこのボタン鍋だよ。
ああボタン鍋ですか。
ははは…。
沸騰したら食べ頃ですのでほな失礼いたします。
ねえ夏目君。
はっはい!今日はね君に言いたい事があるんだ。
はい。
あの…。
ええ…本日はお日柄もよく。
はあ?えっ?はい?あっいやいや…あははっ。
あの言いたい事はね山ほどあるんだけどね。
へへっ…まあゆっくり食べながらあら?さっき具を入れたばかりですから。
ああっそうだったね。
はっはっ…。
つまりその結婚…。
結婚?えっ?えっ?あっいやあの…あのだからね。
あっはい。
あの和美にだ二度と事件に首を突っ込むなって…。
いやあのまあ今日のところはとりあえずそれだけでいいかな。
とりあえず?いや。
私が言ってもねあいつ聞きやしないんだ。
だからあの〜夏目君に言ってもらえたらなぁと思ってね。
ああそうですか。
わかりました。
和美さんを危険にさらしたくないお気持ちは同感です。
僕が止めてみせます。
守ります。
えっ…今守りますって言った?言ったね?そう!ええ言いました。
確かに。
あっそう。
本当にどうぞ…。
イタッ!大丈夫?よろしく頼む。
こちらこそよろしくお願いします。
ああそうか…。
ええ。
あっお義父さんそろそろ鍋…。
あっビールいかがですか?ああ!ははは…。
ああ…ダメだ。
勤務中なんでね。
あっそうでした。
君飲みなさい。
君ならいくら飲んでもいいからさ。
ああ〜。
あっもうこんなもんで。
そう?ああ守ってくれるか。
ええ。
じゃあよろしくね。
よろしくお願いします。
ああ〜。
はあ…。
あれお義父さん勤務中じゃ…。
今飲んだ?
(ため息)警部。
うん?あれ?何か随分お疲れの様子ですけど何かありましたか?ええ?あったなんてもんじゃないよ。
あっそれより鑑識と司法解剖の結果は?はい。
真央の体内から検出されたのは青酸性毒物。
高岡院長が庭園で殺害されたのと同じものでした。
ああそうか。
これです。
(橋口)しかも室内は密室状態でしたので自殺に間違いないと思われます。
うん…。
それから真央は妊娠3か月でした。
妊娠?ええ。
たぶん高岡の子供でしょう。
産むか産まないかで揉めた結果真央が高岡を殺害してしまったという事でしょうか。
Oの謎も解けて一件落着。
狩矢ようやった!
(ため息)本当にこれで解決だと思います?何え?その歯切れの悪さ。
それがですねあの別荘で妙なもの見ちゃったんです。
妙なもの?「いいお医者さん探そう」っていう特集記事が載ってるムック紙がたくさん置いてあったんですけど…。
たくさん?ええ。
その中に高岡院長も載っていたんです。
置いてあった本にはサインがしてありました。
高岡さんの直筆でたぶんプレゼントするために。
それで何冊か見たんですけど…。
(美野里)はっ?別々?つまり…。
Oちゃんと央ちゃんがあったんです。
別々に。
っていう事は何?Oちゃんっていうのは真央さんの央ちゃんやなかったって事?ちょっと狩矢もっと詳しく。
つまり漢字の央ちゃんのほうが真央さんへのプレゼントだったと思うんです。
ほなこっちのアルファベットのOちゃんっていうのは誰?わかりません。
ただ真央さんじゃない事だけは確かです。
そりゃそやな。
う〜んこれはますますややこしなってますますおもしろなってきた!さっ調査続行!あっ風邪ひかんようにこれ。
なっ頑張ってな!ちょっちょっと待てよ。
それじゃ高岡院長が書き残したダイイングメッセージのOは真央さんの央じゃなかったって事?他に犯人がいるって事か。
うんそうなる。
はあ…何だよ一件落着かと思ったのにさ。
じゃあ考えといて。
私これからお店だから。
ちょっと待ってよ和美。
ダメだよ。
もう事件に首を突っ込んじゃ。
今さら何言ってんのよ。
いやもうこういう事はあんまりよくないんじゃないかなぁと思ってさ。
あっ。
うん?お父さんに何か言われた?何かうじうじしてる。
いや別にそういう訳じゃないけど…。
じゃいいじゃん。
じゃいいじゃんじゃないよ。
やっぱり何か言われた?いや…。
じゃいいじゃん。
いや〜石丸先生!お越しやす。
お久しぶりでございます。
先生!
(石丸遼太郎)アキ無事に帰ってきたぞ。
もう〜心配したんやから!そうか。
すまなかったな。
石丸遼太郎だわ。
ああ顔は知ってるな。
朝川君に秘書の小林君だ。
(朝川)石丸先生にはいつも大変お世話に…。
何かテレビで見た事ある。
次の大臣候補よ。
ふ〜んあの人ここの常連やったんや。
えっ?知らなかったの?うん。
私まだここ3か月やから。
じゃあ3か月ぶりか。
一緒にいる人も有名な人?朝川代議士です。
石丸代議士と同じ派閥で競い合ってる人。
ウソ…何で?うん?バイト。
そんな訳ないでしょ。
香澄さん先生のテーブルへヘルプお願いします。
あっはい…。
(笑い)失礼します。
でも先生ほんまに胃潰瘍治らはってよろしおしたわ。
ふふふ…。
いやぁ元々大した事はなかったからね。
いや〜それにしても美人のママさんですね。
丸さんが通い詰める訳だ。
丸さん!?えっ?あっいえ…。
古の人は京都でたくさんの恋に落ちママの美しさに今朝川君が落ちた。
まあ何百年経っても恋の中心はやっぱり祇園って事かな。
ええ。
うふふふ!香澄さん奥のテーブルへ。
はい。
失礼します。
失礼しま…あっ。
あなたはここへ来てどのぐらい?うわっお父さん…。
かっ和美!?お父さん何やってんのよ!お父さんってか…。
シィ!なっ何だよその格好は。
お前。
そんな事よりその手のほうが問題よ!えっ…?いや何勘違いしてんだよ。
たまたまこう横に手を置いたら下にひざがあったんじゃないか。
ねえ?いやまあまあ…。
こちらクラブですから。
そうだよクラブなんだから…。
夏目君!?あっこっこんばんは…。
こんばんは…なっなっ何だ一体これは!?何なんでしょう?
(2人)ねえ。
ああ…。
ははは…。
ったくもう…何やってんだ。
お前の仕事はタウン誌の記者だろうが。
そう!レポートして特集記事にするの。
潜入取材だったから涼子さん以外知らなくて…。
だからお店で言えなかったのよ。
じゃあ夏目君は?えっ…。
そうよ。
何で夏目君あそこにいたのよ?えっ?お義父さんが和美さんを守れって約束したんじゃないですか。
それとこれ…はあ…。
お父さんこそ何よ。
ひざに手を置いちゃったりしてホントにいやらしいんだから。
いや…だからお父さんは事件に絡んでるフローラの人間関係を知るために客として店を見に行ったんじゃないか。
えっ?じゃあお父さんもまだ事件は解決してないと思ってるの?うん。
どういう事だ?どういうって…あっそうだお父さんいつも私の事心配してくれてありがとう。
えっ?夏目君にも会っていろいろ言ってくれたみたいでホントに感謝してる。
お父さんの娘でよかった。
何言ってんだよ。
父親なんだから当然の事だ。
あっはっはっ。
じゃあお先。
何だもう帰るのか?だって夏目君とデートの時間なのにお父さんと壹銭洋食食べてどうすんのよ。
いやもうできるからさ。
じゃあね。
じゃお先に失礼します。
お待たせしました。
おいっできたよ!これ食べる…?丸さん?高岡院長が書き残したダイイングメッセージはオーじゃなくてマルだったのよ。
はあ…マルか。
オーは真央じゃなかった。
だからあれはマル。
つまり石丸代議士の事だったんじゃない?いやでも石丸代議士と高岡院長の関係がさ…。
それを調べるのが新聞記者の仕事でしょ。
またそうくる訳か。
よしやってみますか。
おっすまんすまん。
おう。
どうだ?石丸代議士は3か月前に胃のポリープの摘出手術を受けたんだがガンの噂があるらしい。
ガン!?おい!声がでかいよ。
まだ噂だから他言すんなよ。
わかった。
ありがとう。
ガン?噂だから真相は定かじゃないんだけどその石丸代議士の手術を担当したのが殺された高岡院長だったそうなんだ。
高岡院長が?ああ。
これで2人の関係がつながったぞ。
和美それがどのぐらいすごい事なのかわかるか?どういう事?代議士にとって病気は命取りなんだよ。
それがわかった途端に出世街道から外されちまう。
そっか…。
あの世界は足の引っ張り合いだから。
盲腸の手術なんかでもあの人は末期ガンだなんて噂が簡単に流されるらしいんだ。
でもさもし石丸先生が本当にガンだったとしたら例えそれが早期発見の小さなガンだったとしても高岡院長はものすごい秘密を知っていた事になるわね。
ああ。
(救急車のサイレン)先生…。
あの…私行ってもいいんでしょうか?奥さんとかご家族の方は…。
ああご家族は来ないわ。
石丸先生別居中だから。
じゃあお一人で?アキちゃんが付いてるの。
アキさんが?・
(ノック)どうぞ。
いかがですか?ママ…香澄さんも。
ありがとう。
先生ママが来てくれたわ。
おおありがとう。
先生ゆっくり休んで早く元気になってくださいね。
うん?どっちだ?ゆっくりか早くか?まあ…。
先生そんな冗談が言えるくらいならもう大丈夫ね。
ああははは…そうだな。
失礼かもしれませんけど本当にびっくりしました。
アキちゃん?ええ。
お店にいる時とは全然違ってて…。
娘さんか奥さんのように石丸先生のお世話をしてましたね。
そうね。
歳の差はあるしホステスとお客様っていう関係だけどアキちゃんは石丸先生を本気で愛してるようなの。
石丸先生もアキちゃんの事を真剣に愛してくれてるみたいなの。
ええ。
あの2人を見てたら本当にそう思いました。
ふ〜んあのアキさんがね。
アキさんは本当に石丸先生の事愛してるんだと思うわきっと。
あんなに歳の差があるのに?歳の差なんて関係ないわよ。
う〜ん…という事は石丸代議士を愛するあまり高岡院長の口を封じるって事もありえる訳だな。
そんなはずない。
だってアキさん本当に幸せそうだったのよ。
いやだからこそさ…。
だってアキさんは高岡院長が書き残したダイイングメッセージに当てはまらないじゃない。
オーでもマルでもないんだし。
う〜ん高岡院長は丸さんの仕業だと勘違いしてダイイングメッセージを残したんじゃないか?そうかもしれないけど…。
ただいま。
(美野里)おかえり。
狩矢。
ついさっき石丸代議士が亡くなったんやて。
見てみ。
「入院先の京洛病院で容体が急変し亡くなったとの事です」「石丸代議士は次の大臣候補と目され勢力的に政治活動に取り組んでいましたがここ最近は体調に異変をきたしていたようです」アキさん…。
本当にご愁傷さまでした。
ありがとう。
石丸先生前からそんなに悪かったんですか?ええ。
手術はしたけどもうあちこちに転移してて…。
でもお店ではあんなに笑顔で…。
そういう人なの。
いつも周囲を明るくする人だった…。
でもね忙しくて会える時間もなかったけど最後の3日間ずっとあの人のそばにいられて幸せだった。
アキさんそんなに石丸先生の事…。
父親みたいに歳の差があるのにね…。
歳の差なんて…。
結婚しようかって言われた事もあるの。
結婚?でも議員とホステスじゃ世間も認めてくれないし歳の差もあっておもしろおかしく騒ぎ立てられるだけだからって断った。
先生はそれでも構わないって言ってくれたけど。
そんなに愛していたなら石丸先生のために何でもしたいっていう気持ちになってもおかしくないですよね?それどういう意味かしら?私が高岡先生を殺したとでも言いたいんですか?アキさん。
高岡院長は石丸先生の担当医よ。
私が殺すはずないじゃない。
ごめんなさい。
そういうつもりじゃないんです。
ねぇ夏目君。
申し訳ありません。
気分を悪くされたなら許してください。
お待たせしました。
抹茶と和菓子のセットになります。
あら…。
かわいいですよねこのお菓子。
懐かしい…。
懐かしい?子供の頃思い出すわ。
子供の頃?いただきます。
おいしい。
アキさんの?ええ。
前に勤めてたお店ご存じですか?一度前のお店のお客さんがフローラに来た事があったの。
その時何て言ったかなぁ?思い出してください。
ええっとねぇ…。
そう確か大阪の「ふら〜っと」ってパブ!ふら〜っと?そう!あった…。
あの…。
いらっしゃいませ。
すいませんちょっとお伺いしたいんですけど。
この人をご存じですか?あらレイちゃん?レイちゃん?あの今この人アキさんっていう名前なんですけどレイちゃんっていうんですか?ええレイちゃんよ。
へえきれいになったねぇ。
4年前までね一緒にこの店で働いてもらったのよ。
じゃあこの方ご存じですか?あっ高岡ちゃんね!この2人付き合ってたから。
付き合ってた!?もう7年前ねぇ。
この近くの京洛病院の分院に出張で来てたのよ。
それでここにも通ってもらってたから。
どのぐらい付き合ってたんですか?そうねぇ1年ぐらいよ。
レイが捨てられたの。
高岡ちゃん妻子持ちで婿養子だし。
病院継ぎたかったから仕方なかったのよねぇ。
あっねえ実ちゃん。
(実)はい。
そこのアルバム取って。
はい。
あのレイさんはその後?そりゃ本気だったから落ち込んでたけど若かったからね。
そのうち高岡ちゃんと顔合わしても平気になったわ。
そうですか…。
ありがと。
ええと…。
あった。
これ。
「0ちゃんゴキゲン!」ってこれ高岡ちゃん書いたのよ。
数字のゼロで0ちゃん…!でもレイは幸せ者よ。
後にも先にもこの店から祇園のクラブから引き抜きがあったなんてあの娘だけよ?クラブのママが直接来たんですか?そう。
何度も通ってレイ口説いたの。
もちろん私は喜んで送り出したけどね。
あのママ熱心でよさそうな人だったから。
和美お待たせ。
アキさんの本名は笠井玲子だった。
レイちゃん…。
レイちゃん?高岡院長が残したダイイングメッセージはオーでもマルでもなく数字のレイだったのよ。
そうか…つまりアキさんの事を指していた。
ええ…。
高岡院長はみやこ百貨店の荒井社長に新病院設立の共同出資を断られて泡を食ってた。
途方に暮れて石丸代議士にガンの事をネタに脅した可能性は捨てられない。
それを知ったアキさんが…。
愛する石丸代議士のために高岡院長の薬に毒物を混入して殺害した。
うん?となると真央さんはどうなるんだ?えっ?高岡院長と同じ毒で死んだという事は犯人は同じと考えられる。
つまりアキさん。
でもあの別荘は密室だったのよ。
だから他殺じゃなく自殺と判断された。
自殺だとしたら真央さんは高岡院長が死んだのと同じ毒をどうやって手に入れたんだ…。
いやありえないよ。
やっぱりアキさんが密室状態でどうやって毒を飲ませたかだな。
ただいま。
ああおかえり。
ああいい香り!おかえり。
遅かったのね。
疲れたでしょ?今とっておきのお茶出してあげるから座りなさい。
うわきれ〜い…。
かわいい〜!お父さん!どうした?和美。
これよ。
これだわ!何がだ?別荘よ!別荘?真央さんはこの氷を入れた飲み物を飲んだんじゃないかしら。
だとすると密室での殺人が可能になるわ。
ああ。
橋口か?狩矢だ。
至急鑑識に連絡取って高岡の別荘に来るように言ってくれ。
調べてもらいたいものがある。
すいませんお忙しいところ。
急にどうしたの?こないだ夏目君がアキさんに言った事なんですけど…。
アキさんは石丸先生を愛してらしてその石丸先生を高岡院長が脅迫していたんじゃないかという事になると…。
私が石丸先生のために高岡院長を殺したんじゃないかっていうのね?ごめんなさい…。
前にアキさんと高岡院長が恋愛なさっていてつらい別れがあったと聞いたので…。
あなた…そんな事まで調べたの?はい…。
そう…。
確かにあの男は殺したいほど憎い。
でも石丸先生は私が殺人者になる事喜んでくれると思う?そんな事より先生はご自分の最期を私に看取ってほしい。
その事だけを言ってた。
その思いを叶えてあげたかった。
それだけだった…。
高岡を殺すような心の余裕なんてなかったわ。
犯人は私じゃないわ。
失礼。
あら…お帰りになられたんですか?あのこちらお連れ様の分なんですけれどもどうしましょう?置いといてください。
はい。
懐かしい…。
花氷?ええ。
いろんな花を水の中に入れて冷蔵庫で凍らせたの。
子供の頃思い出すわ。
妹と2人で。
警部結果が出ました。
どうだった?別荘の氷からは青酸性の毒物が検出されました。
高岡真央そして氷すべての毒物は同じものでした。
やっぱりそうか…。
という事は真央は自殺ではなく他殺という事ですね?ああ。
犯人は高岡院長を殺害するために二重の仕掛けをした。
1つは常備薬に毒を混ぜもう1つは別荘の氷の中に毒を混ぜた。
そのいずれかを飲んで高岡が死ぬのを待っていたんだ。
そしてそれを真央が飲んでしまった。
とするとその犯人は?本名レイ…。
どうだった?わかったよ。
ママの本名は沢田涼子なんだけど両親が離婚した時に父親と共に行った姉の名前が沢田涼子で母親と共に行った妹の名前が母親の旧姓の笠井玲子だったんだ。
笠井玲子…アキさんね。
ああ。
それでアキさんは事件についてどう言ってた?・
(ドアの開く音)涼子さんはアキさんの本名をご存じなんですよね?笠井玲子さんですよね?涼子さん大阪のお店へ何度も通ってアキさんを引き抜きホステスのいろはを教えたのは…。
アキさんがあなたの妹さんだからですね?どうしてきちんと名乗ってあげないんですか?それはできない…。
できないの。
どうしてですか?私あの子に一生をかけて償わなきゃいけない事をしてしまったの。
絶対に許してもらえない事を…。
両親が離婚する時に取り返しのつかない事をしてしまったの。
パパ肩たたきやる!そうかありがとう。
玲ちゃんもやる!うん?おっ玲子のはちょうどいいな。
ああ気持ちいい。
お姉ちゃんより玲ちゃんのほうがうまいね!うん?ははは…。
ああ…。
よーし玲子ありがとう。
ママ!お酒飲んじゃダメってパパが言ってたよ。
うるさい。
あっち行ってな。
ママ怒っちゃやだ!うるさいから来ないでよ!涼子向こうで玲子の面倒見ておきなさいって言ったのわからないの?早く連れて行きなさい!はい…。
涼子お前はもう4年生だしパパのほうかママのほうか自分で自分の事は決められるね?うん。
私はパパと一緒がいい。
そうか。
でも玲はね…玲はママのほうがいいんだって。
ママのほうが…!?うん…。
玲そう言ってたよ。
そうか…。
(涼子)玲はそんな事一言も言ってなかった。
あの子も父親のほうに行きたかったのに私はどうしても父を独占したかったの。
そのせいであの後玲は母親から殴られて苦しめられて育ってきたの。
でもそれは涼子さんのせいじゃ…。
玲子は母親から殴られる人生…。
愛してくれた父も誰も助けに来ない人生だったのよ。
父はいつも玲を心配してた。
最後の最後まで玲を捜してくれって願ってた…。
亡くなられたんですか?ええもう10年前に。
だからあの子に父を返してあげる事ができないの。
父のような石丸先生を愛してしまうほど父親を求めているあの子に私は何もしてあげられない…。
自首するようにすすめてください。
実の姉であるあなたが言えば…。
その必要はないわ。
必要はない?それじゃ涼子さんが…?そんな形で子供の時の罪を償ったんですか?そうよ。
妹さんのためにあなたが高岡院長を?ええ。
あの男は許せない…。
胃のポリープって事で会見を行ってくれるそうだな。
ありがとう。
いやぁ…。
石丸先生の担当医としては当然です。
ただ今後はわかりませんよ。
スタッフの中には口の軽いのもおりますから。
何だと?はは…落ち着いて話しませんか。
私も新病院設立の共同出資者の荒井社長が突然断ってきて困ってるんですよ。
ご了承いただけませんか?貴様って奴は…。
金で解決できる事ですから落ち着いて話し合いましょう。
(涼子)ちょうどその時私も病室の前にいて聞いてしまったんです。
高岡は一度玲子を捨てたのに今また玲子を苦しめてる。
石丸先生を守るために必死の玲子を…。
だから殺そうと決めたの。
お越しやす。
お預かりします。
ああ頼むよ。
先生いらっしゃい。
お待ちしてたんですよ。
(高岡)相変わらず盛況だね。
(涼子)そうしておけばいつか薬を飲んだ時に高岡は死ぬ。
でもそれだけでは心配だったの。
薬を飲まなかったら高岡は死なない。
それで…。
別荘の氷にも毒を仕込んだ。
二重の仕掛けですね。
でもそれをよりによって真央さんが飲んでしまった。
本当に申し訳ないと思ってるわ。
曲水の宴で高岡院長が薬を飲むのを見たんですか?いいえ。
たぶんトイレに行った時にでも飲んだんだと思います。
(涼子)そして…。
高岡先生!?高岡先生…。
(涼子)その0の文字を見た時すぐに玲子の事を言ってるんだと思ったの。
そして私は混乱にまぎれて…。
これでおしまいね。
もうこれ以上生きていけないわ。
涼子さんやめてください!来ないで。
涼子さんあなたまだやる事があるんじゃないですか?えっ?妹さんにアキさんに…玲ちゃんに謝る事です!できない…できないわ。
お父さん!やめなさい!さあナイフをよこしなさい。
あなたの妹さんですね?そしてあなたは妹さんのために高岡院長を殺害した。
そうですね?そうなの?ママ。
あなたがお姉ちゃんなの?そして私のために高岡を…?ごめんね玲ちゃん。
私あなたに取り返しのつかない事をしてしまったの。
わかってる。
あの事はママから聞いた。
両親が離婚する時私がママと一緒に行きたいって言ったってお姉ちゃんが言ったの。
でも私お姉ちゃんの事を恨んだりしてないよ。
だってママにも誰か一緒に行ってあげなきゃいけなかったしお姉ちゃんならひどくいじめられるかもしれないけど私ならそれほどでもないと思ったし。
玲ちゃん…。
お姉ちゃん…。
涼子さんアキさんが勤めていた大阪のお店に何度も足を運んでご自分のお店に玲さんを連れてきた事。
それだけで私償えたと思います。
会いたかった。
ずっと会いたかった。
玲ちゃん…。
あなたが死んでしまったら妹さんはまた独りぼっちになってしまうんだ。
涼子さん姉妹ならやり直せる。
私お姉ちゃんを恨んでなんかいない。
会いたくて会いたくてずっとこの日を待ってた。
こんなに近くにいたなんて本当にうれしいの。
だって私のためだったんでしょ?私のために高岡を…。
涼子さんアキさんの幸せを願ってそれを邪魔する高岡が許せなかったんだと思うの。
お姉ちゃんだけだよ。
私の事そんなふうに思ってくれるの。
さあナイフを。
涼子さんここで死んだらまた玲さんを悲しませる事になるんですよ。
もうお姉ちゃんって呼べなくなるんですよ!玲ちゃん…。
お姉ちゃん…。
玲ちゃん…。
お姉ちゃん…!お姉ちゃん…。
私赤い花の氷を作って待ってる。
お姉ちゃんが帰ってくるまで解かさないで待ってる。
ありがとう。
お姉ちゃんかわいい。
うん。
赤い花はお姉ちゃん黄色は玲ちゃんね。
うん!さあ…。
もう二度と事件に首を突っ込むな。
いいな?またそれ〜?うるさい!もうさっさと結婚しろ。
そんな事自分で決めるわよ!うん…相手はやっぱりあの夏目君か。
当たり前でしょ!ふ〜ん。
何よそれ。
何か気に入らないの?結婚するのは私なんですからね。
さてそろそろ夕食作りましょうか。
あっ?これから作るのか?だって2人のケンカ見てるとおもしろいからごはん作るの忘れちゃったわ。
お母さん…。
何だよもう腹減ってる…。
おい和美どっか外でめし食おう。
えっ?めずらしいお父さん。
じゃあ私も一緒に。
今急いで着替えてきますから。
おい!もう早くしろよ。
急いでな!じゃあ私も着替えて来よっと。
えっ?おい!いやその格好でいいから。
おいはぁ…。
和美ごめん!また遅れちゃって。
あのさぁお父さんがささっさと結婚しろって言うのよ。
ああ…そうか。
でもさ私達の関係もさ花氷のように氷の中にかわいくしまっておくっていうのはどう?ははは…何で?しまっちゃうの?それでさ10年か20年後にようやく解かしてやっと結婚するっていうのはどうかな?ははは…それもいいけどちょっと遅いんじゃない?遅い?ああ…。
だったら早く来なさいよ!怖っ!何だ急に怖くなって。
今回は事件があったから時々一緒にいられたけど事件が解決した途端に何よ。
仕事が忙しい仕事だ仕事だって…。
やっと約束したと思ったら放ったらかすし。
ようやく会えると思ったら遅刻するし。
ホントに夏目君って私の事どう思ってるのかな?ねえ夏目君私の事愛してる?ねえ愛してるんだったらはっきりそう言ってみて。
ねえ早く。
いや愛し…愛してるよ。
愛してるけど…。
何よ。
はっきり言いなさいよ。
愛してるよ。
もっと大きく。
大きくって…。
声でかくすればいいってもんじゃないだろ。
しかもこんな真っ昼間から…。
えっ?愛してる?愛してる…。
愛してるに決まってるだろう。
2015/04/10(金) 14:00〜15:51
ABCテレビ1
山村美沙サスペンス 京都 花の艶殺人事件[再][字]
愛人、ホステス、華やかな女達の闘い!謎の文字“O”の秘密…
詳細情報
◇出演者
藤谷美紀、田村亮、原田龍二、山村紅葉、涼風真世、遠野凪子、山田まりや、中野良子
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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