英国一家が日本を食べちゃうワケ 2015.04.09


焼き鳥!味がほとんどしない。
ヨーロッパにはナンコツみたいなものはないよね。
エビ天やアジの干物を箸を器用に使って食べるこの人。
おいしそうに食べてますね。
イギリス人のフードライター。
8年前家族と共に来日。
北は北海道から南は沖縄まで日本料理を食べ尽くす旅に出かけました。
その体験をまとめたのが「sushi&beyond」…僕はジャーナリストの前にただの食いしん坊です。
何よりもおいしいものが食べたいんです。
マイケルさんは今回が12度目の来日。
訪れる度に新しい発見があるそうです。
さあ〜食いしん坊のマイケルさん今回は何を見つけちゃうんでしょうか?「sushi&beyond」を翻訳したのが「英国一家日本を食べる」。
外国人が書いた日本料理のエッセーとしては異例の発行部数13万部。
そしてこの4月からは総合テレビでアニメとして登場します。
英国人が料理を語る。
そう聞いて首をかしげる人もいるだろう。
だけど心配はご無用。
僕は英国でジャーナリズム精神を培いパリに渡って料理を学びフードライターとしての名声も得た人間だ。
そんな僕がある日一冊の本と出会い日本料理に好奇心をくすぐられ日本行きの飛行機に飛び乗った。
僕の愛する家族も一緒に。
これは極東の国日本を訪れた我々家族の100日間の冒険の物語。
新宿に着いたら度肝を抜かれるぞ。
主人公はもちろんマイケル・ブースさん。
似てますよね。
ほら見てあれ東京タワーじゃない?好奇心旺盛な妻のリスンさん。
東京タワーくらい知ってるよ。
今ネットで見てたとこ。
父親譲りの理論派アスガー君当時6歳。
音楽をこよなく愛するエミル君当時4歳。
マイケルさん一家は日本に到着早々初めての日本料理を食べようと夜の街を歩き回りますが…。
日本料理なんてどれもこれも見かけばっかりで味もたいしてしないじゃないか。
食べるメリットなんてある?全ての物事の裏側には膨大な歴史と文化の蓄積がある。
異国の食べ物一つを取ってもそうだ。
世界は僕らが想像もしないような可能性に満ちているんだって事を。
可能性って?ん?それはだな…。
正直言うと僕もいまだに日本料理を語るための自分の言葉を持ち合わせてはいない。
フードライターとして日本料理をどう言葉にできるのか?マイケルさんたちの珍道中が始まります。
でもどうして日本料理にこんなにこだわるんでしょう?マイケルさんはイギリスの大手新聞「ガーディアン」などに記事を書くフリーのジャーナリスト。
これまでに本を何冊も出しているんですよ。
レシピ本に頼らず自ら料理学校やレストランに入門しフランス料理を探究した記録です。
マイケルさんはこの本を書くために家族を連れてパリに移住。
びっくりですよね!家族4人でインドにも行っちゃいました。
インド各地を旅して料理やヨガを体験しました。
マイケルさんは料理を通じてその国の風俗や文化を知りたいと思っています。
更に家族と共に暮らす事でその土地をより深く理解できると考えています。
そんなマイケルさんが日本料理と出会ったのは9年前。
それは一冊の本でした。
1980年に出版された海外向けの日本料理の研究書。
著者は料理研究家の辻静雄。
辻さんは世界に日本料理を紹介した草分け的存在なのです。
美しい料理の写真と共に天ぷらや煮物寿司など200を超える日本料理のレシピが事細かく書かれています。
マイケルさんはこの本に衝撃を受けます。
どのページを見ても「これは一体何だ?」。
知らない惑星の食べ物としか思えなかったんです。
理解できなかった。
でも奇妙な料理というよりもとても新しいものに出会ったと感じたんです。
マイケルさんはこの本に書かれた辻さんの言葉に心を奪われます。
辻さんは日本料理の伝統がまるで消えつつあるかのように書いていました。
出版されてから数十年たっています。
ここに書かれた料理は今もあるのか?その疑問が僕の心を捉えたのです。
その答えが知りたくてマイケルさんは日本行きを決めるのです。
マイケルさんは全国を訪ね歩き日本人とはちょっと違った視点で日本料理を見て食べて言葉にしています。
静岡のかつお加工工場では…。
「かつお節というのは…」「削ったかつお節は…」「…を想像してもらうととてもよく似ている」。
北海道のラーメン横丁でラーメンの魅力に負け…。
「本当は少なくとも…」「でもこの最初のラーメンを最後の一口まで全て…」「これ以上何かを食べるなんてもう考えられなかった」。
「10分後…」褒めるばかりではなく時にはイギリス人らしい疑問もぶつけます。
「正直なところ…」「僕にはあまりにも…」マイケルさんは家族と共に旅をしながら文化や伝統にも触れていきます。
そして本では決して分からなかった日本料理の魅力を知る事になったのです。
マイケルさんが衝撃を受けた魅力その一つが…。
マイケルさん一家は日本で初めて食べた天ぷらの食感にかなりびっくりします。
大事なのは絶対に衣を混ぜすぎない事。
まだ粉の固まりがたくさん残ってる。
(料理人)これでいいんです。
僕なら泡立て器を突っ込みたくなるな。
めちゃめちゃおいしいって事だよやばいよこれ!油で揚げてあるはずなのに全然油っぽくないんだ。
外はカリッとしてるのに中はふわふわで…。
独特な食感は料理人の経験と技が生み出したものでした。
でも日本人の食感へのこだわりは料理人だけではありません。
今回の来日でマイケルさんが訪れたのはあるファストフード店。
失礼します。
お待たせいたしました天丼です。
ありがとうございます。
ごゆっくりどうぞ。
僕はフードライターなので三つ星レストランでばかり食べていると誤解されがちです。
でもファストフード店も大好きです。
衣はサクッとしていて中はとても柔らかい。
このエビとてもおいしいですね。
天ぷらならではの食感を素早く提供する秘密がこの自動天ぷら揚げ機。
油の温度を常に180℃にキープする事で衣のサクサク感が生まれます。
赤いのはハロゲンヒーター。
ほどよい熱を素早く伝える事でエビの柔らかさを保ちます。
エビが揚がるまで僅か1分20秒。
機械で揚げるコツは同じ温度と時間で揚がるよう全ての食材を最適なサイズにカットする事です。
日本人ならではのきめ細やかな工夫ですね。
イカの食感どうですか?完璧に調理されていますね。
イカはかたくなりがちでとても難しい。
でも中は柔らかくて外側はカリッと揚がっています。
この店の機械はとても優秀なようです。
マイケルさんは新宿の横丁でも驚きの食感に出会います。
それは焼き鳥。
中でも…。
(店主)これが何か分かりますか?ん?変わった食感だな。
とりたてて味もない。
プラスチックを食べてるみたいだ。
想像もつかない。
降参するよ。
(店主)それはナンコツ。
鶏の胸骨の軟らかい先端部分です。
ナンコツか…。
焼き鳥!こんにちは。
ナンコツを1本頂けますか?マイケルさんナンコツと再会です。
味がないね。
ナンコツはコリコリとした食感が全てなので。
正直苦手です。
これに似た食べ物はヨーロッパにはないですから。
次は柔らかい食感で日本人には人気の皮。
ヨーロッパでは皮は捨てますね。
まず食べない。
でも日本人は串一本まるごと皮ですからね。
柔らかくてかみ応えのある食感ですね。
全く違った食感です。
日本人は鶏のあらゆる部位を焼き鳥にします。
しかも全て食感が違うんですよね。
ご主人はどれが好き?私は意外にこういうモツの…ストマックが好きです。
歯応えがコリコリ。
Oh,verychewy?CanItry?ちょっと僕にはきついかも。
(店主)独特な食感ですよね。
ちょうどいいかたさですね。
うんおいしいです。
焼き鳥の中で一番好きかも。
歯応えもとてもいい。
今回もマイケルさんは新しい食感を見つけました。
「日本料理から学べる事は?」と聞かれると必ず「食感」と答えています。
日本の食感の多様さにはいつも驚かされます。
天ぷらはサクサクとしっとりの2つの食感を同時に楽しめます。
こういう体験こそが日本料理を探究する僕にとって大きな喜びです。
これほどまでに料理に情熱を注ぐマイケルさん。
その原点はパリにありました。
120年の伝統を持つ名門料理学校…9年前マイケルさんはジャーナリストでありながら生徒としてこの学校に通います。
コルドン・ブルーに行った理由は料理をよく知らない僕がレストランや料理について書くべきではないと思ったからです。
この学校は徹底した実践主義です。
まず先生が生徒の前で料理を作り手本を見せます。
料理は本物の味を知る事がとても重要です。
料理の技術を頭だけでなく体でも覚えていくんですね。
さあ今度は生徒が料理を作る番。
授業の後半は料理実習です。
生徒に与えられた課題は味はもちろん盛りつけの美しさなど多岐にわたります。
そして先生の試食。
この学校には世界中から夢を抱いた若者たちが集まっています。
その中でマイケルさんはなんと優秀な成績で卒業。
一流レストランで研修生として働くチャンスを得ます。
研修先として選んだのは「フレンチの皇帝」と呼ばれるあの人の店でした。
現在世界11か国に店を構え世界で最も多くミシュランの星を持つシェフとして知られています。
店内には厨房を囲むようにしてカウンター席が並びます。
これは日本料理からヒントを得て設計したそうです。
日本の皆さんは控えめな人が多くレストランではあまりにぎやかに会話をしませんね。
でも寿司屋で食事をする時はカウンター越しに職人さんと会話をしながら実にリラックスしています。
私はそれで気付いたんです。
日本の寿司屋のカウンターとスペインのタパスバーを組み合わせた居心地のよいレストランを作れないものかと思ったんです。
ロブションさんは常に新しいものを取り入れ最高のフレンチを目指してきました。
マイケルさんは短期間ながらその厨房で学んだのです。
私はコルドン・ブルーで学んだマイケルさんをとても評価しています。
私の店で研修生として働いてたんですよね。
あそこの卒業生が優秀である事は私の店でも雇っていますからよく知っていますよ。
料理の仕事で大切なのは情熱です。
実際コルドン・ブルーの生徒は情熱のある人ばかりです。
彼らは料理がとても好きで真剣に学んでいますからね。
マイケルさんはパリでの経験がフードライターとして大きな財産になったといいます。
僕は料理が皿にのるまでに料理人が何をしたのか切り方やさまざまなテクニックをより理解できるようになりました。
厨房の仕事に感謝すると同時に厳しい目で見るようにもなりました。
どんなふうに作られるのか今はよく分かっていますから。
パリで料理の専門技術を身につけたマイケルさん。
日本では人々との出会いから料理を学びます。
(店主)お待たせいたしました。
このトロミはコーンスターチ…にしては匂いがないな。
(店主)葛ですよ。
お客さんも料理人ですか?昔ちょっとね。
驚いた。
力士が自分で作るんだね。
(リスン)これはちゃんとしたレシピとかあるのかしら?レシピですか?細かい事は気にしてません。
さあ来い!フガーッ!おっとっと…。
CGじゃないよね。
ちゃ…ちゃんこのパワーだ!やった!やった〜!
(笑い声)日本での100日間は僕にとって家族にとっても人生の最も充実した時間でした。
今も鮮明に覚えています。
ジェットコースターに乗って日本中を走ったかのようでした。
こんな木の棒っきれでどうやって食べろっていうの?これだから日本料理は…。
うわ〜っ!どうぞ。
日本へようこそ。
札幌の二条市場。
伊豆のワサビ田。
志摩半島の素潜り漁。
土地に根ざした人と食を求めての旅でした。
ジャーナリストとしていろんな人と出会い彼らの人生に触れられた事は天からの贈り物のようでした。
マイケルさんは来日する度にとても楽しみにしている事があります。
それは…。
今回マイケルさんが旬を求めて向かった先は…ん?デパート?僕が大好きな場所デパ地下だよ。
デパートの地下にある食品売り場。
実はこのデパ地下にこそマイケルさんが探している旬のものがたくさん並んでいるのです。
マイケルさんが気になったのは…。
これは?うど?何?サラダに使われていた白い食材。
春に旬を迎える山菜うど。
独特の香りとシャキシャキッとした歯応えが特徴なんですがマイケルさんの感想は?大根のようだね。
今まで食べた事もなかったよ。
そしてこのお店。
春の装いが施されお弁当がたくさん並んでいますがよく見ると空のスペースが…。
恐らく弁当を買ってここからご飯を選ぶのでしょう。
これは桜ですか?Yes.桜は日本人が大好きな花です。
もうすぐ開花の季節ですね。
おこわを彩る桜の花。
きれいな色ですね。
摘み取った花を塩と酢に漬け込む事で鮮やかな色と香りを引き出しているそうです。
お弁当に季節の食材を使う事は大事な事ですか?今しか味わえないものなのでそれをお客様に提供させて頂くっていうのが私たちの仕事でございますので。
旬の時期はほんの僅か。
それを大切にする日本人の繊細さにマイケルさんは惹かれるといいます。
ああ…。
この貝はまぐりも今の季節が旬の食材だね。
日本人は海の幸にも四季を感じる。
マイケルさんが一番驚いた事です。
日本人は季節への意識がとても強い。
今どんな食材が旬なのかを誰もが知っていますよね。
海の食材といえばマイケルさんが首をかしげるものも。
これはカキだよね?この2つはどんな味付けなんですか?
(店員)こちらがチーズです。
チーズ?カキの上に!?
(店員)こちらがコチュジャンマヨネーズ。
あなたはどちらが好きですか?こちらのチーズ…。
本当に?海のものとチーズは合わないはず。
僕はそう教わったよ。
いや〜時々日本人が分からなくなる事があるよ。
そしてマイケルさんはある売り場へ…。
いらっしゃいませ。
こんにちは。
こちらは京都で100年以上の歴史を持つ料亭のお弁当売り場。
ありがとうございます。
この店にとっておきのお弁当を注文していたのです。
見て下さい!これは芸術だ。
美しい!旬の食材を使うだけではなく盛りつけにも季節が取り入れられています。
例えばカレイの焼き物。
いった玉子を振りかけて菜の花畑に見立てています。
右下に注目!山芋で作られた蝶。
う〜ん春ですね〜。
料理人はこの小さな世界に想像をかきたてる春を散りばめているのです。
とにかく彩りがすばらしい!蓋を開けるとまず目で味わう事ができますよね。
お弁当はデパートではなく毎朝料亭の調理場で作られています。
こちらはちらし寿司。
食材の配置ひとつにも細心の注意を払います。
旬の食材を使ったちょっとユニークな一品がありました。
何か複数の食材が入っている。
これはイカ?イカだ。
次にこれは…。
タケノコかな?イカとタケノコ。
食感が違う2種類の食材を使っていたのです。
見た目が美しく旬の食材を使ってもおいしくなければ意味がありません。
しかしこれは味も最高です。
酸味や甘みの組み合わせ更に食感まですばらしいのひと言だよ。
マイケルさんが本を書いてから7年。
ロンドンは今や大変な日本食ブームです。
行列が出来たこの店。
何の店かというと…。
福岡に本店を持つとんこつラーメンの店。
ここの特徴はカプチーノのようにスープの表面を泡立たせる事。
確かに泡立ってますね。
こうするとスープが麺に絡みやすくなりまろやかな口当たりが楽しめるんですって。
なるほど。
イギリス人の…アーロンさんはとんこつラーメンの味に一目ぼれ。
2年前福岡の本店で早朝から深夜までみっちりと修業を積んだそうです。
そのかいあってのれん分けしてもらい去年8月この店をオープンしました。
スープは地元の食材を使って日本と変わらない味を実現しています。
とんこつスープの材料は豚の骨と水だけ。
18時間じっくりと煮込む事で骨の中のゼラチン質が溶け出し濃厚な白濁スープが生まれます。
ここのスープは継ぎ足していくタイプではなく毎日新しく作ったフレッシュなものを使っています。
ロンドンでは今とんこつからつけ麺まで15軒ものラーメン専門店があります。
ラーメンは驚くほど浸透しているようです。
ロンドン随一の高級住宅街メイフェア地区。
こちらはブレア元首相や歌手のマドンナも通うという一つ星の懐石レストラン。
石井さんは京都の料亭で修業を積み国連大使公邸の料理長を務めるなど世界を股にかけて活躍してきました。
アスパラガスなどの春野菜寄せ。
美しく盛りつけられたお造り。
モンゴウイカとクエ。
ウニにロブスターそして赤エビ。
ここは本当にロンドン?と思わせるほど本格的な懐石料理が並びますがそこには石井さんの苦労がありました。
日本料理に使えるような鮮度を大切にした食材それが正直言って中央市場でも全く入らないというのがこの国の現状ですんで。
イギリスではサーモンのような柔らかい食感の魚が人気で取れたての歯応えのある魚は手に入りませんでした。
しかし石井さんは新鮮な魚の良さを知ってもらいたい一心からイギリス各地を訪ね漁師さんと直接交渉。
コーンウォール地方で独自の調達ルートを作るのです。
魚に関しては漁師さんであり狩猟の肉に関してはハンターでありみんなそういう人たちと常に交流し続けて彼らから一番の食材を受け取るようなシステムを作っています。
石井さんは海外で料理を作る上で大切にしている事があります。
それはその土地の食材を季節に合わせて生かす事。
こちらはイギリス人に人気の高い鳥ヤマシギ。
ヤマシギの肝のソースにたっぷりのトリュフ。
ロンドンでは今が旬の一品です。
僕はやっぱりロンドンにいるのでロンドンの空気を吸った懐石料理を作っているっていうそれが一番の違いじゃないかなと思います。
マイケルさんのふるさとでも日本料理にはまっている人がたくさんいるようです。
ところで日本料理にはもう一つ世界のトップシェフたちも注目するすごい魅力が…。
そして第5の味覚として…「うま味」の代表的な成分は主に3つ。
しかも異なるうま味成分を合わせると相乗効果でよりおいしさを感じる事も分かっています。
ちょっと分かりにくい?でも日本の皆さんは誰でもよ〜く食べていますよ。
これを見て!干物はとても魅力的な加工法だよね。
実に興味深い。
色もきれいだし。
さあ中へ入ろう。
マイケルさんが訪ねたのは干物料理の店。
店主の藤井さんが焼いているのは自家製の干物です。
魚と塩と水。
自然にあるものをシンプルに作ってます。
はい。
塩漬けの作業では塩の濃度を海水とほぼ同じ状態にしています。
昔の家庭っていうのはほんと難しい事やってるわけじゃなくて余計なものは入れない。
で素材本来のうま味を引き出すって事ですね。
お待たせしました。
ありがとうございます。
見て下さい!美しいですね。
日本人が昔から食べている家庭料理です。
アジの開き定食。
一汁三菜日本料理の基本形ですよね。
煮干しとかつお節のだしを使ったおひたし。
タケノコやワラビなど春野菜をだしのうま味で味わいます。
煮干しと昆布でだしをとったみそ汁。
うま味料理の代表格です。
煮干し大好きです。
香りのあとの酸味がとてもおいしい。
実はアジの干物もイノシン酸がたっぷりと入ったうま味の塊です。
う〜んおいしいです。
干物なので乾燥していると思うと違うんです。
とても柔らかくてしっとりとしています。
うま味がいっぱいです。
どんなふうに作るんですか?天日干しで太陽の恵みをもらってるんですよ。
それは化学反応を利用するという事ですか?かつお節を作る時にやはり干してイノシン酸に変えるんですね。
これも短時間で即席にうま味をこううま味成分を変えてますよね太陽の力で。
太陽の光でタンパク質がイノシン酸に分解されうま味となるのです。
昔の人は化学的な知識はなかったでしょうから直感で天日干しを選んだんですね。
興味深い話です。
マイケルさんは天日干しの現場を見せてもらう事に。
都心のどこで行われているんでしょう?この上なんですよね。
上?ここです。
なんとビルの屋上なんです。
わあすごい!こんな東京の真ん中で行われているなんて。
東京タワーがすぐ近くだ。
日本人は昔からこんなふうに天日干しをしてきたんですね。
今日のような曇り空でも干物は出来るんですか?出来ます。
天日干しは雨さえ降らなければ出来るそうです。
干すのは4時間程度。
藤井さんが天日干しにこだわる理由はうま味だけではありません。
天日干しはね他の干物と違うのはね香りがあるって事。
香りはね記憶なんだよね。
やっぱりおいしいと思うのは実はね味じゃなくてね匂いなんだよね。
その事もあって天日干しにこだわってんだよね。
マイケルさん今日の仕上がりは?幸せそうには見えないけどおいしそうな事は間違いないね。
マイケルさんは今回の来日でどうしても会いたい人がいました。
村田さん。
どうもどうも。
Lovelytoseeyouagain.どうもどうも。
世界のトップシェフが教えを乞いに次々にやって来るほどの日本を代表する料理人です。
実はマイケルさんは8年前にも村田さんを訪ねていました。
その時村田さんから聞いた素材そのものの味を引き出す日本料理の基本こそマイケルさんが日本料理に引き付けられてきた最大の理由です。
Thisissobeautiful!ありがとうございます。
これもうね長いでしょ?20mぐらい引き込みがあるんですけどね。
ラーメンブームが起きたり日本料理は今世界でも人気があります。
でもマイケルさんはその現状に疑問を感じています。
今アメリカやイギリスそしてフランスではラーメンがとても人気です。
焼き鳥に寿司もですね。
でもそれ以外は全く知られていません。
驚くほど多様な日本料理があるにもかかわらずです。
日本料理の一部分だけがもてはやされる現状に村田さんは腹立たしくありませんか?僕らは最初にイタリアからイタリア料理が入ってきた時にイタリア料理はスパゲティとピザやと思ったんですよ。
スパゲティに自分らが食べやすいようにたらこ混ぜてたらこスパゲティ作っちゃったんですよ。
イタリアの人何にも怒らなかったでしょ?最初に入っていくものというのはそればっかりが評価されるのはなんか変やなと思うところがみんなあるんでしょう。
でもこれからがスタートです。
これからがスタートです。
2013年画期的なニュースが飛び込んできました。
(拍手)和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたのです。
ユネスコの無形文化遺産に「和食」が登録された事で日本人の意識は変わりましたか?日本人は決して日本料理がすばらしい料理やとは今まで思ってなかった。
自分らが昔から食べてきたものおばあさんが作ってくれたおかずなんかを古くさいもんやと言いだしてアメリカヨーロッパのまねを一生懸命したから。
それらのものをもういっぺん見直しておばあちゃんにその作り方を教えてもらう事が和食を維持継承すると。
国民みんなで和食の文化を維持継承しましょうよという事を今一生懸命言うてるんです。
このおばあちゃんの料理こそマイケルさんが8年前に知ったうま味を生かした日本料理なんです。
村田さんは海外のトップシェフ相手に研修会を開くなどうま味を活用した日本料理を国際的にアピールしてきました。
うま味についてです。
ヨーロッパのトップシェフが今とても注目していますよね。
世界の料理は全部オイルを中心に料理を構成しました。
唯一世界で1か国だけうま味成分を中心に料理を構成したんが日本なんです。
うま味にはカロリーがゼロです。
オイルには1ccで9キロカロリーあります。
今世界のシェフやらはオイルを使わずにいかにおいしく料理を作るかという方向性を今模索してるでしょうね。
全部日本料理に近くなっていく。
「世界が日本料理に近づく」村田さんの言葉に今回も刺激を受けたマイケルさんでした。
デパ地下では旬の味を食べ歩き機械で揚げた天丼の食感を楽しみビルの屋上で作ったうま味たっぷりの干物が忘れられません。
そして初めて食べた鶏のモツが今回新たな大好物になりましたね。
マイケルさんの日本料理を巡る冒険はまだまだ続きます。
偶然の巡り合わせですが日本料理は私のライフワークになるような気がします。
そのすばらしさを全て知るには一生かかりますから。
でもそんな人生も悪くない。
「日本料理がライフワーク」なんてうれしいですね!次はマイケルさん日本に家族と住んでお米作りにチャレンジしたいそうですよ。
頑張って下さいね!2015/04/09(木) 14:09〜14:57
NHK総合1・神戸
英国一家が日本を食べちゃうワケ[字][再]

4月開始のアニメ「英国一家、日本を食べる」の原作マイケル・ブースが日本料理に魅了された訳をひも解き、今彼が最も注目する日本の食の現場を訪れ独自の目線で伝える特番

詳細情報
番組内容
イギリス人フード・ライターとその家族が日本に100日間滞在し、各地の料理や食材を食べ尽くす!…マイケル・ブース一家の珍道中を描くコメディ・アニメの原作「英国一家、日本を食べる」で話題のマイケル本人に迫る。パリで本格的に料理を学び、世界中の一流料理人に取材を重ねてきたマイケルが日本料理を探求し続ける理由とは。世界が注目する「日本の食」の魅力を、独自の目線で伝えるスペシャルグルメ番組!
出演者
【出演】マイケル・ブース,村田吉弘,ジョエル・ロブション,【語り】鈴木麻里子,【声】竹本英史,川津泰彦

ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ
情報/ワイドショー – グルメ・料理
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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