韓国経済の成長率予測、韓銀はなぜ下方修正したのか

韓国経済の成長率予測、韓銀はなぜ下方修正したのか

 韓国銀行が9日、今年の成長率予測値を3.1%に下方修正したことは、韓国経済のエンジンと言える輸出に暗雲が立ち込めていることが原因だ。不動産景気が好転し、株式市場も活況だが、そうした流れは依然消費心理の改善にはつながっておらず、内需は低迷している。内需低迷と輸出不振で韓国経済の活力が低下すれば、今年の成長率が2%台に低下することもあり得るとの見方も相次いで示されている。

■為替戦争が輸出戦線に影響

 李柱烈(イ・ジュヨル)韓銀総裁は9日の記者懇談会で、輸出低迷に対する懸念を隠さず、「悲観的に見ているわけではないが、中国の成長鈍化などで輸出条件が思わしくない点は認めざるを得ない」と述べた。世界的な為替戦争にも言及した。李総裁は「ウォンが対ドルで他通貨よりも下落しておらず、為替面で韓国の輸出に不利な影響を与えている」と指摘した。ユーロ圏、中国、日本が争うように利下げを行い、自国通貨を下落させているため、韓国企業の輸出競争力が低下している点に触れたものだ。

 韓国の輸出(金額ベース)は今年1月から3カ月連続でマイナスを記録した。1月が0.9%減、2月は3.3%減、3月が4.2%減と減少幅は拡大している。昨年から始まった輸出鈍化が加速している格好だ。現代経済研究院のイ・ジュンヒョプ経済動向分析室長は「ユーロ圏の景気がなかなか回復せず、中国が内需主体の成長と加工貿易抑制という政策を取ったことで、韓国の輸出が伸び悩んでいる」と分析した。

 韓銀はまた、不動産市場が好調で、株価も反発しているが、そうした流れが消費には結び付いていないとみている。韓銀のチャン・ミン調査局長は「株価の上昇と不動産取引の増加が今後も続くかどうかは確信できない」と述べた。李総裁は「消費は2月に回復の兆しを見せたが、傾向的に消費が上るかどうかは見守る必要がありそうだ」と慎重な立場を崩さなかった。

李陳錫(イ・ジンソク)記者
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