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「情報」と「マーケティング」の関係 伝えることで価値が生まれる

北海道の網走で情報の大切さを体験

ここのところ「情報」って面白なって感じている。
情報ってなんだろう?
そんなことを深く考えていると、どんどん哲学的なことやスピリチュアル的なことまで考えてしまいます。
今日は以前、北海道の網走で体験した、「情報」と「マーケティング」の重要な関係性に気づいた時のことを書きます。

網走は、オホーツク海に面していて、流氷がすごく有名なところです。
2月から3月終わりくらいにかけて、流氷を観光資源にして、流氷を割りながら進む観光船などでたくさんの観光客を集めています。

網走にオホーツク流氷館という展示施設があります。
流氷をテーマとした博物館みたいな感じですね。
とある日、網走の商工会議所で呼ばれて講演したんですが、その前に流氷館をぜひ見てほしいと言われました。
何故かというと、市が三セクで、つまり民間と共同でやっている施設で、古くなったので建て替えをしたいということ。

オホーツク流氷館

オホーツク流氷館

残念ながらボクは正直言って、流氷、あまり興味ない。
流氷を見たって、別に氷の塊だし、海が白い土地になるだけだし、寒いし。
でも仕事なので、見に行きました。

映像の展示も「古くさい映像だなぁ」と思ったし。
博物館の展示の映像って、少し経つとすぐに古くなる。
たとえばスキーウェアの流行があるから、「ああ、これ、相当昔のスキーウェアじゃん」みたいな感じで、どんどん古いのがバレる。。
そんなのを見ながら、流氷なんてつまらないな、何が面白いんだろうな、寒いだけじゃん、と思っていたんです。

流氷館にはガイドさんがいるんですね。
その日は30歳ぐらいの女性の方でした。

流氷の説明をしてくれるとのこと。
でもその時は、正直なところ別に説明してくれなくてもいいんだけど・・・そんな気持ちだった。
もともと興味ないし、早くお昼ご飯を食べたいなと思っていたから。

でもね、この人の説明がとっても上手だったんです。
聞いているうちに、あれ? と思った。
ガイドさんが話してくれた「どうして流氷がすごいのか」という話を聞いているうちに面白くなってきた。
オホーツク海が全部流氷で凍っちゃうわけですが、この海は北極とつながっているんだけど、流氷の南限で、ここが凍るというのは、緯度的に言うと奇跡的なこと。
それがなんで凍るかというとね……という話なんですけど、それがすごく面白かった。

オホーツク海で海が凍るのは奇跡的なこと

オホーツク海の北西には、アムール川が流れこんでいいる。
ものすごい水量が流れていて、それが海に流れ込むんです。
川だから真水ですね。
海水に、大量の真水が流れ込むとどうなるか?
理科の実験で昔やったかもしれませんけれど、塩分の濃い水と真水を混ぜると、上のほうに真水がたまり、下は塩水になって、なかなか混ざらないんです。
要は、油と水みたいな感じで、真水が上にたまるんですね。

真水はご存じのとおり0℃で凍る。
ところが、海水の凝固点はもう少し低くて、マイナス3℃にならないと凍らないんです。
オホーツク海にはアムール川からどんどん真水が流れ込むから、その真水が凍りやすくなる。
そうすると表面だけ凍っていって、流氷ができるわけなんです。

おまけにオホーツク海は、千島列島で塞がれているような地形なので、外に流れ出しにくい。
巨大な湖のような状況になるわけです。
だから、この緯度の海が凍るというのは普通はあり得ないことなのに、オホーツク海の表明がまるごと凍ってしまうということ。

海一面が凍りつく

海一面が凍りつく

そして、流氷と一緒にプランクトンもたくさん来る。
そのプランクトンを求めて、アザラシとかいろいろな魚とか鯨とかも寄ってくる。
だからここはすごく良い漁場なのです。

面白いなと思った。

まったく関心なかった流氷に興味がわいた

その女性のガイドさん、温暖化によって流氷が徐々にできなくなってきていることなんかも話してくれました。
真剣に聞き始めたら、流氷がものすごい価値に思えてきたんですね。
最初はまったく興味がなかったのに、ちょっと勉強しようかなと思うくらい、なんか流氷に興味を覚えた。

これってすごいことですよね。
流氷なんて最初はまったく興味のなかった。
それが、このような話を聞くことによって、とっても興味を持つようになった。

マーケティング的に考えてみてください。

あなたの商品、サービスも同じだということです。
生活者は最初はまったく興味がないかもしれない。
でも、ものすごく興味を持たせるためにはどうしたらいいかという話。

そこで必要なのが情報なんです。

人間は知らないものには興味を持ちません。
情報をいかに届けるか。
それによって興味を持ってもらえるようになる。
情報を得て、その情報を得てから、「ああ、そうか。これってこうなのかもしれない」というふうに、どんどん興味を覚えるようになっていくわけです。

ボクは、このわずか20分ぐらいの話を聞くことによって、流氷にものすごく興味をもった。
最初は別に何でもいいや、と思っていたにもかかわらず。

網走で「情報」ってスゴイなと思う体験をした話です。

情報ってスゴイですよね。
情報を伝えることが、これからの時代、関係性をつくっていくためには重要なのです。

 

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藤村 正宏
1958年、北海道釧路生まれ。著書「モノを売るな!体験を売れ!」で提唱したエクスペリエンス・マーケティング(通称エクスマ)の創始者。集客施設や企業のコンサルティングを行っている。コストをあまりかけない、誰でもカンタンにできる手法で、圧倒的な成果をあげている。 執筆活動、講演活動もする。現在フリーパレット集客施設研究所主宰。

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