諫山卓弥
2015年4月10日21時09分
海面から垂れ下がったロープに、直径10センチ以上に育ったホタテ貝がずらりと並ぶ。4年前の東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた宮城県女川町の養殖場だ。5月には本格的な出荷を迎える。
ホタテを育てる伊藤和幸さん(66)は、津波で養殖いかだも自宅も船も流された。それでも、その年のうちに養殖を再開。出荷量は徐々に増え、今年は震災前の年間約40トンに近い約35トンが見込めそうだという。「まずは震災前の出荷量に戻し、いずれは後継ぎの息子と2人でもっと増やしたい」
県漁業協同組合女川町支所によると、震災で養殖漁業を手がける組合員は約300人から約190人に減少。水揚げは一時、ほぼゼロになった。その後、2010年度の約3600トンには及ばないものの、13年度は約2600トンにまで回復している。(諫山卓弥)
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