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 戦中は時代の波に左右された俳優・歌手、戦後は政治家としても活躍した山口淑子(よしこ)さん(1920~2014)が戦時中の1944年、李香蘭(りこうらん)時代に録音したとみられる2曲の未発表音源が見つかった。「雲のふるさと」「月のしづく」で、いずれも作詩は大木惇夫(あつお)、作曲は昭和を代表する作曲家の古賀政男。発売されなかった理由は不明だが、戦後70年を経て埋もれていた戦時歌謡が発見され、専門家は「奇跡的だ」と評価する。

 山口さんが昨年9月に亡くなったのを受け、日本コロムビア社が音源を調査。古賀政男音楽文化振興財団(東京都渋谷区)が所有する古賀の遺品のSP盤を整理する過程で、確認した。

 SP試聴盤の裏表に1曲ずつ収録されていた。盤中央には、各曲名と「李香蘭」の文字が書かれている。包装紙には「未発表」「S19」などの文字が見える。