安倍首相:「粛々と…やめてというなら使う必要ない」答弁

毎日新聞 2015年04月09日 12時35分(最終更新 04月09日 19時18分)

参院予算委で質問に答える安倍晋三首相=国会内で2015年4月9日午前9時51分、徳野仁子撮影
参院予算委で質問に答える安倍晋三首相=国会内で2015年4月9日午前9時51分、徳野仁子撮影

 安倍晋三首相は9日午前の参院予算委員会で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設を「粛々と進めている」と8日に述べたことについて、「政府として粛々という言葉を使っていたので答弁で使ったが、上から目線的な雰囲気があるのでやめてもらいたいということであれば、あえて私も使う必要はないと思う」と述べた。

 沖縄県議会議長を務めた維新の党の儀間光男氏への答弁。儀間氏は「粛々の意味は、雑音に耳を貸すことなくだ。沖縄の声は、雑音になってしまう」と首相に発言の真意をただした。

 「粛々」の表現は、菅義偉官房長官が沖縄県の翁長雄志知事から「上から目線だ」と批判され、使わないとしていた。

 一方、一般会計の総額が過去最大の96兆3420億円となる2015年度予算案は9日夕の参院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立する。

 昨年12月の衆院選の影響で、15年度予算案は編成作業が遅れた。政府・与党は14年度内の成立を目指したが、政治資金問題を巡り西川公也前農相が辞任したこともあり、成立は2年ぶりに新年度にずれ込んだ。

 15年度予算案は、防衛費が3年連続で増加し、過去最大の約4兆9800億円。社会保障費は初めて31兆円台に達した。歳入は税収が消費税増税と法人税の伸びで、54兆5250億円を見込む。新規国債発行額は36兆8630億円。【水脇友輔】

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