辺野古移設:サンゴ損傷「基準内」 防衛省が調査報告
毎日新聞 2015年04月09日 21時09分(最終更新 04月10日 02時29分)
防衛省は9日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設作業の際に沈めたコンクリート製ブロックによるサンゴ礁の損傷は、同省が定めた基準の範囲内だったとする調査結果を「環境監視等委員会」(委員長・中村由行横浜国立大院教授)で報告した。ブロックが最大45トンと大型だったことから「サンゴへの影響をより軽減したり回避したりする方法があったのではないか」との指摘も出たが、調査結果を踏まえ、同委員会は「サンゴ礁全体への影響は軽微」との見解を示した。
同委員会は、移設に伴う環境保全措置を有識者に検討してもらうため防衛省が設置した。同省は移設に際し、長径1メートル以上のサンゴの損傷を避けるよう基準を設けており、沖縄防衛局がブロックを設置した75地点のサンゴの損傷状況を2月に調査。ブロック設置により損傷したサンゴは計94群体だった。損傷を受けたサンゴのうち、最大は長径45センチで、10〜20センチのサンゴが全体の94%を占めたという。同省は「いずれの損傷も基準の範囲内」と説明した。
沖縄県の翁長雄志知事は先月、沖縄防衛局が許可区域外にコンクリート製ブロックを投下し、サンゴ礁を損傷した可能性が高いとして、辺野古沖での移設作業を停止するよう防衛局に指示したが、林芳正農相が指示執行を停止し、防衛局は移設作業を続けている。【飼手勇介】