ひろしまレポート:日本、核セキュリティー分野で11位
毎日新聞 2015年04月08日 23時30分
広島県は8日、核兵器保有国や日本など過去最多の36カ国を対象に核軍縮・不拡散への取り組みを独自に点数化し、評価した報告書「ひろしまレポート2015年版」を公表した。日本は核軍縮分野で非保有国中4位に入ったが、米国の「核の傘」への依存度などから核セキュリティー分野では11位だった。
広島県が13年に始め、今回が3回目。研究者らが保有5カ国と事実上保有しているとされる北朝鮮など4カ国、日本など非保有27カ国を対象に分析し、核軍縮▽核不拡散▽核セキュリティー−−の3分野64項目について評価した。
報告書によると、「核軍縮」では米国が94点中19・5点と、前年から進展がみられないとして評価を下げた。保有5大国中トップの英国でも24.5点と低調だった。事実上の保有国では、最下位の北朝鮮、イスラエルがマイナス点だった。
非保有国では、国連加盟国に核兵器禁止文書への賛同を呼び掛けているオーストリアと、前回もトップのニュージーランドが1位に並んだ。日本は核実験全面禁止条約(CTBT)の発効促進を主導する立場が評価されて4位。核不拡散の分野でも3位だった。
広島県は27日に米ニューヨークで開幕する核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、「レポート」を紹介するポスター展示を行う予定。同会議に合わせて訪米する湯崎英彦知事は「核兵器を巡る状況は良くないが、このような状況だからこそ広島から核兵器廃絶に向けた機運を盛り上げたい」と話した。【大西岳彦】