老朽原発:高浜、美浜の本格審査開始 火災対策課題に

毎日新聞 2015年04月09日 19時43分

 原子力規制委員会は9日、運転開始から40年超の運転を目指す関西電力高浜原発1、2号機、美浜原発3号機(いずれも福井県)の再稼働に向けた安全審査会合で、主要な論点を示した。両原発は可燃性ケーブルを多用する「老朽原発」であるため、規制委は火災対策を共通課題に挙げ、本格審査に入った。

 関電は両原発の可燃性ケーブルに防火塗料を塗って対応する方針。規制委は難燃ケーブルと同じ性能があるか、塗料を塗ることによる悪影響は出ないかなどを確認事項とした。

 また、高浜原発は既に審査に合格した3、4号機を含めた4基同時の事故を、美浜原発では廃炉が決まった1、2号機の使用済み核燃料プールと同時に事故が起きた場合のそれぞれの対処想定を論点とした。

 美浜原発については、有識者調査団が調査している敷地内断層以外の周辺にある断層や地下構造などの詳細な説明も求めた。

 高浜1号機は運転開始から40年、同2号機は39年、美浜3号機は38年たつ。運転期間が40年超の原発は、規制委の審査に合格すれば1度だけ最長20年の運転延長ができる。【鳥井真平】

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