2015年4月10日21時30分
戦後70年談話(安倍談話)に関する有識者会議「21世紀構想懇談会」の座長代理で、国際大学学長の北岡伸一氏は10日、東京都内で開かれた討論会に出席した。安倍談話について、北岡氏は「メディアは村山談話のキーワードが入るかどうかばかり関心を持つ。侵略、植民地、痛切な反省、おわび。それはちょっと矮小(わいしょう)ではないか」と語った。
北岡氏は「戦後50年と70年で多少言うことが違ってくることは当然だ。100年、200年経っても同じ言葉を使うかを議論するのか。そんな馬鹿なことはあり得ない。首相が『全体として引き継ぐ』と言っているのはそれで良いと思う」とした。
そのうえで「侵略」を巡る議論に触れ、「満州事変が侵略でないという人がいると説得に困る。満州事変で日本は北満州(現中国東北部)を支配し、傀儡(かいらい)国家をつくった。日本の歴史学者で否定する人はいないと思う」と持論を展開。一方、先月のシンポジウムでは「私は安倍さんに『日本は侵略した』と言ってほしい」と述べたが、この日は侵略の事実を認めることと談話に書くことは「別問題だ」とした。
「おわび」については「謝罪というよりは反省だろう。はるか時間がたったところから謝罪するのは、私は空々しく聞こえる」と語った。
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