テレ旬ワード:「戦艦大和沈没70年」
2015年04月10日
旧日本海軍の戦艦「大和」が沈没してから、7日で丸70年がたった。その名のためなのか、戦艦で世界最大級というその巨大さゆえなのか、大和は今を生きる私たちにも特別な存在だ。世代を問わず、戦艦という存在を越えた感傷を抱いてしまう人も多いのではないか。
7日当日、大和が建造された広島県呉市など各地で追悼式があった。テレビのニュースでも当然、大きく取り上げられたと思っていたが、調べてみると合計29分8秒と少ない。ニュースや情報番組で連日取り上げられた「桜の開花」(計18時間12分43秒)は別格としても、ある書籍の受賞ニュース(計1時間7分51秒)にもはるかに及ばなかった。
大和は、NHKと在京民放5局が全局取り上げはしたが、1番組で1分以上の時間を割いたのはNHKとテレビ朝日のみ。ただ、この2局も大和の元乗組員の証言を紹介するにとどまった。しかも、いずれの番組でも当時の状況を振り返った元乗組員はともに90歳前後。NHKのニュースに登場した八杉康夫さん(87)は、最後の語り部として600回以上講演を続けてきたが、体力の衰えで昨年11月を最後に人前で話すことをやめているという。
戦争を体験した世代が減っている今、戦争を語り継ぐことは年々難しさを増している。データを調べていて、少し恐ろしくなった。(浩)
(注)対象は4月3〜9日に放送されたNHKと在京民放5局の番組。放送時間は全録レコーダー「SPIDER」(PTP社)で調べた。