エコキャップ推進協会:売却益をワクチン代で寄付せず
毎日新聞 2015年04月10日 21時07分
◇13年9月から 「主に障害者自立支援事業に使用」
「ペットボトルのキャップを集めて世界の子供にワクチンを届けよう」と呼び掛け、キャップの売却益をワクチン代として寄付してきたNPO法人「エコキャップ推進協会(エコ推)」(横浜市中区)が、2013年9月から寄付をしていなかったことが分かった。矢部信司理事長が10日、記者会見して明らかにした。売却益は主に障害者自立支援事業に使っていたという。
エコ推は2007年12月から、国連児童基金(ユニセフ)を通じて途上国にワクチンを届けるNPO法人「世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)」に売却益の寄付を開始。総額は13年8月までに約1億2000万円に上った。
矢部理事長によると、JCVとの間で寄付の方針を巡り見解の相違があったことや障害者支援を活動の中心にするようになったため、寄付を見送っているという。エコ推の定款では、売却益はワクチン代や障害者支援など7事業に充てるとしている。
矢部理事長は「ワクチンの寄贈が、子供たちがキャップのリサイクルを進めるモチベーションになっていた事実もあり、申し訳ない」と謝罪した。【水戸健一】