株2万円台:金融緩和で海外ヘッジファンド資金が押し上げ

毎日新聞 2015年04月10日 20時30分(最終更新 04月10日 22時34分)

日経平均株価が15年ぶりに2万円を回復したことを示す株価ボード=東京都中央区で2015年4月10日午前9時9分、竹内紀臣撮影
日経平均株価が15年ぶりに2万円を回復したことを示す株価ボード=東京都中央区で2015年4月10日午前9時9分、竹内紀臣撮影

 10日の東京株式市場で、日経平均株価は取引開始直後に15年ぶりの水準となる2万円台に乗せ、大台を回復した。円安や原油価格下落で企業業績の改善が進むとの期待が膨らんでいることに加え、日欧などの量的金融緩和で出回った大量の資金が株式市場に流れ込み、株価を押し上げている。

 前日の米国株高などを材料に朝方は買いが先行し、取引開始直後の午前9時7分にこの日の高値である2万6円00銭(前日終値比68円28銭高)まで上昇した。

 ただ、大台回復後は高値警戒感から当面の利益を確保するための売り注文が優勢となり、日経平均の終値は前日比30円09銭安の1万9907円63銭と4日ぶりに反落した。全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は4.65ポイント安の1589.54。

 相場上昇の先導役は世界中で投資資金を運用するヘッジファンドなどの外国人勢だ。欧州ではドイツやスイスの国債でマイナス金利が広がるなど、低金利で投資先が限られるほか、利上げを模索する米国や新興国経済にも先行き不透明感が高まっている。「アベノミクスで年金などの公的マネーが株を買い支えている日本株が相対的に有利な投資対象になっている」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)構図だ。

 証券業界では「今年は国内の個人投資家の裾野も広がり、2万円は通過点に過ぎない」(日比野隆司・大和証券グループ本社社長)と強気な見方がある一方、過剰マネーに支えられた「官製相場」の持続力を疑問視する声も大きくなっている。【大塚卓也】

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