千葉卓朗
2015年4月11日10時20分
「アベノミクス」がうたわれて2年あまり。日経平均株価が一時、約15年ぶりに2万円台に達した。だが、かつてのITバブルのような熱気は見られない。不景気続きを体験してきた世代にとっては、投資でのもうけが、消費よりも将来への「守り」に回りそうだ。
株高を見越して、証券会社などが開いている株式投資セミナーは各地で盛況だ。「企業を応援すれば、日本経済の成長にもつながる」。今春、東京証券取引所内で開かれた投資セミナー。会場を埋めた約250人の参加者が講師の説明に熱心に耳を傾けていた。ある女性会社員(31)は「昨年から株式投資を始めた妹に『月に2万円ほど入ってくる』と聞き、やってみたいなと思った」と話した。
いま、個人投資家にもうけが出始めている。東京大学株式投資クラブ「Agents(エージェンツ)」のメンバーで経済学部3年関本圭吾さん(20)は、この日午前9時前から東大・本郷キャンパスの教室でiPadを見て株情報をチェックしていた。取引開始から数分後、日経平均株価が2万円台に突入。「ついに大台を超えた」と感じた。約100万円の自己資金はこれまでに、約200万円に倍増したという。
でも、株価2万円がどういうことなのか「正直、ぴんと来なかった」。生まれてからこれまで、日常生活で景気が良くなったと実感したことがないから、景気がいいという状態が分からないという。
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