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 物流施設の設備工事で便宜を図った見返りに業者から接待を受けたとして、警視庁は10日、JR貨物(東京都渋谷区)の事業開発本部開発部グループリーダー富永英之容疑者(45)=東京都品川区勝島1丁目=をJR会社法の収賄容疑で逮捕した。電気設備会社「カナデン」(東京都港区)の課長三枝裕祐(ゆうすけ)容疑者(47)=東京都大田区池上4丁目=も同法の贈賄容疑で逮捕した。2人は容疑を認めているという。

 捜査2課によると、富永容疑者は、東京貨物ターミナル駅(品川区)の敷地内にある物流施設「エフ・プラザ東京」の計4棟の設備改修工事や建築工事で、カナデンが照明器具工事などに下請けとして参入できるよう取り計らった謝礼などとして、2012年6月中旬~14年8月上旬ごろ、三枝容疑者から7回にわたり風俗店で計約43万円分の接待を受けた疑いがある。富永容疑者は課長級の社員で、工事の発注や設計、管理を担当。三枝容疑者は空調機器の販売に携わっていた。

 JR貨物によると、「エフ・プラザ」は物流業者が貨物の保管や荷さばき、積み替えなどができる大規模複合施設。全国6カ所の貨物駅構内にある。JR貨物は「深くおわび申し上げます。捜査に全面的に協力し、真相を究明してまいります」とのコメントを出した。カナデンは「内部管理体制の見直し・強化に取り組み、信用回復に全力を挙げてまいります」とのコメントをウェブサイトに掲載した。

 JR貨物の役職員は、JR会社法で「みなし公務員」とされており、職務に関して賄賂を受け取ったり要求したりした場合、懲役3~5年以下とする罰則がある。