統一地方選前半戦の投票が明日に迫った。道府県議選で無投票当選が大きく増えるなど全般に選挙戦は低調だが、地方自治の将来を考えれば、「無風」ムードに惑わされるわけにはいかない。
四十一道府県で行われる今回の議員選挙で特筆されるのは、三十九道府県で計五百一人に上った無投票当選の多さである。
総定数二二八四に占める無投票当選の割合は、前回二〇一一年の17・6%から過去最高の21・9%に増えた。つまり、新議員の五人に一人は有権者の審判を受けないまま、既に決まっている。
立候補者数は総計三千二百七十三人で、前回より百八十四人減った。党派別に見ると、自民党が七十五人増の千三百十九人なのに対し、民主党は二百二十六人減の三百四十五人にとどまった。
現在の党勢を反映した擁立状況が無投票当選を増やした一番の理由だろうが、議員のなり手、地方自治の担い手が足りなくなってきたのだとすれば、事態は深刻だ。
なり手不足は、地方議員の質の低下につながりかねない。
政務活動費の使途をめぐる兵庫県議の号泣会見、東京都議会での女性蔑視やじなど、昨年も地方議員の不祥事が続いた。このような状況に有権者が失望しているだけでは、本末転倒である。
多様な人材に政治参加を促すための地方議会改革も急務だが、今回の選挙で考えるべきは、だれに一票を投じるか、に尽きる。
「無風」ムードに惑わされ、だれが当選しても同じ、などと錯覚してはなるまい。
地方自治の行く手には、幾多の難問が待ち構えている。
日本の人口減少と絡め、このままだと約半数の自治体に「消滅」の可能性がある、とする民間機関「日本創成会議」の推計は各方面に衝撃を広げた。それに呼応して政府は「地方創生」を掲げ、各自治体にも来年春までに総合戦略を策定するよう求めている。
持続可能な地域の将来像を描くことは、地方にとって最重要課題だ。それを中央主導で一律に進めることに無理はないか。
担当する自治体職員からは、国から示される細かな指示や慌ただしいスケジュールに悲鳴も上がっている。首長のリーダーシップ、議会の適切なチェックがなければ政府に振り回されるだけ、となりかねない。
中央で強気の政権運営が続く中、地方の主体性を守る選挙でもあることを忘れてはなるまい。
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