韓国:2007年大統領予備選巡り朴氏側近に多額献金疑惑

毎日新聞 2015年04月10日 20時48分(最終更新 04月10日 21時02分)

朴槿恵氏=西脇真一撮影
朴槿恵氏=西脇真一撮影

 【ソウル大貫智子】韓国の建設会社会長が2007年に行われたハンナラ党(現セヌリ党)内での大統領予備選を巡り、当時国会議員だった朴槿恵(パク・クネ)大統領の最側近らに多額の現金を渡していた疑いが10日、浮上した。韓国紙が報じた。昨年の青瓦台(大統領府)内部文書流出事件に続くスキャンダルとなり、朴大統領の政権運営に再び大きな影を落としそうだ。

 韓国紙・京郷新聞は10日付朝刊で、建設会社会長の成完鍾(ソン・ワンジョン)氏の電話インタビューを掲載。ハンナラ党内で大統領候補者を選ぶ予備選があった07年に、その後朴政権の初代青瓦台秘書室長となる許泰烈(ホ・テヨル)氏に7億ウォン(約7700万円)を、06年9月には2代目の秘書室長、金淇春(キム・ギチュン)氏に10万ドル(約1200万円)を選挙資金として渡したと証言した。

 成会長は、李明博(イ・ミョンバク)前政権時代の横領疑惑などで検察の捜査を受けていたが「潔白を示す」として9日に自殺。インタビューは自殺直前の9日午前に行われた。遺体のズボンのポケットからは、金氏や許氏のほか、現秘書室長の李丙※(イ・ビョンギ)氏や李完九(イ・ワング)首相ら有力政治家の名前や金額が書かれたメモが発見されたといい、検察が捜査を進めている。金氏らは報道を否定している。

 07年の大統領選党内予備選では、朴氏と李明博氏が激しく競り合い、両者間の対立は今も尾を引いている。

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