ゼネラル・エレクトリック(ティッカーシンボル:GE)が金融部門、GEキャピタルの保有資産の大部分を売却すると発表しました。これは大きなリストラクチャリングです。

ウォール街はこの大英断を歓迎しています。

GE

2007年にはGEキャピタルのビジネスは全社の営業利益の57%を占めていました。しかし2014年には42%に下がっています。今回の発表ではこれを10%以下に下げることが明らかにされました。

GEキャピタルが外れることで、ゼネラル・エレクトリックの株価は、同社の工業部門の利益を反映するものになると思われます。

リーマンショック後、ホールセール市場にファンディングを依存するGEキャピタルのような金融会社はメガバンクに比べて不利になりました。これがGEキャピタルを処分する動機のひとつです。

今後のGEキャピタルは大幅にダウンサイズされて、ジェット・エンジンのファイナンス、風力発電のファイナンス、医療機器のファイナンスなど、ゼネラル・エレクトリックの本業にまつわるファイナンシングだけに特化します。

GEキャピタルのファンディングは2014年末で3,500億ドルでしたが、これを2019年までに900億ドルまで下げてゆく計画です。

今回、ゼネラル・エレクトリックが金融業から撤退するにあたり230億ドルの事業清算コストが発生すると予想されています。このうちキャッシュ・コストは60億ドルです。

GEキャピタルの資産はウエルズファーゴ、ブラックストーンなどに売却されるわけですが、そのトータル・バリューは750億ドル前後と見られています。

資産売却後、ゼネラル・エレクトリックは900億ドルを投資家へ還元する計画です。

なおゼネラル・エレクトリックの工業部門から来るEPSガイダンスは$1.10~$1.20で変更ありません。

なおGEキャピタルの資産売却を仕切るのは同社の昔からのバンカーであるJPモルガンになると思います。JPモルガンは、ウハウハでしょうね。