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株価 一時2万円台 専門家の見方は
4月10日 18時11分

10日の東京株式市場で、日経平均株価は一時、15年ぶりに2万円の大台を回復しました。なぜ、今、株価は上昇しているのか、また今後の見通しについて、“強気派”と“慎重派”、双方の専門家に話を聞きました。

強気派「景気や企業業績の改善反映」

「野村証券」の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは「景気や企業業績の改善を反映し、今後さらに業績がよくなるという期待を反映する形で株価が上昇している。賃金の引き上げや、設備投資などにお金がまわり始め、それが再び企業業績を押し上げる好循環が起きやすいという認識を投資家が持つようになっている」と指摘しました。
そのうえで若生氏は、今後の株価や景気の見通しについては「理屈で説明できない株価水準になった時にはバブルだと思うが、今の株価はそうした水準とはかけ離れており、日経平均株価はさらに上がると見ている。株価の上昇自体が、投資をしている人の財布を温め、実体の景気にもプラスの影響が出てくると思う」と話していました。

慎重派「有り余ったお金が株式に」

「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」の藤戸則弘・投資情報部長は「ヨーロッパ、中国、日本など金融緩和を進めている国の株価が非常に上がっており、その一角で、日経平均株価が2万円に達したという見方が重要だ。今は、各国の中央銀行が実体経済を回復させるために金融緩和で、お金をまき散らす政策をとっており、その有り余ったお金が株式に向かってきている」と指摘しました。
そのうえで、藤戸氏は「コンビニやスーパーの売り上げが前の年に比べてマイナスが続くなど、足元の経済統計だけをみると、ここまでの株高の要因はないということも言える。先行きはよくなるだろうという期待感は強いが、もし、現実の足元のさえない状況に目が向けられたときには、株価が調整するリスクはある」と話していました。

経営者「資産効果が出ている」

「ビックカメラ」の安部徹経営企画本部長は、10日の記者会見で「100万円を超えるカメラのレンズが売れるなど、価格が高い商品の売れ行きが堅調で、株価上昇による資産効果が出ているのではないか。4月以降もこのような状況が続くのではないかと期待している」と話していました。

「吉野家ホールディングス」の河村泰貴社長は「グループの中でもステーキ店や、すし店の単価の高いところにはよい影響がある。逆に牛丼店やうどん店のような日常食に関しては、これから実際に賃金が上がってからになるだろう」と述べました。

地方の中小企業「あまり期待できない」

一方、地方の中小企業からは、景気回復の実感が十分に得られていないといった声も聞かれました。
広島市に本社がある「旭調温工業」は、従業員およそ50人で、食品を乾燥させる機械の製造などを行い、この分野では全国でおよそ7割のシェアを占めています。このところの円安で海外からの受注は増えている反面、国内の売り上げは伸び悩んでいるということです。
日経平均株価が一時、2万円台を回復したことについて、粟屋充博社長は「業種や地域性にもよると思いますが、ほとんどの中小企業さんは景気がよくなったという実感はないと思います」と話しています。そのうえで「大企業は海外に工場を作り、現地での生産や販売を進めている。大企業の業績が中小企業や地域に、好影響を与えるかというと今の時代、経済構造の変化によって、あまり期待ができないだろう」と述べ、政府には地方経済の活性化に力を入れてほしいという考えを示しました。

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