3日告示された道議選と札幌市議選は12日、投開票される。札幌市内の道議選は無投票となった清田区と手稲区を除く8区で選挙戦が行われ、計94人が立候補した札幌市議選は市内10区すべてで選挙戦となった。各区の情勢を紹介する。(5回連載します)

■中央区 

民主、実質2議席目標 自民現職は必勝態勢

◆道議(定数3、候補4)

千葉 英守 65 自現《3》

藤川 雅司 58 民新大[社]

小林 郁子 67 無現《2》民大

越智美智子 45 無新

 他の区に比べて人の転出入が激しく、無党派層も多いといわれる選挙区。ある陣営幹部が「前回支持者の4割以上が転出した」とぼやくほど票が読みづらく、各陣営は支持基盤を固めながら、無党派層に支持を広げる。

 告示直前まで複数候補の擁立を模索した自民は、前回同様に現職千葉に絞って必勝を期す。前回3万1千票でトップ当選した千葉。「複数擁立を断念した以上、前回得票を上回らなければ立つ瀬がない」(党道連幹部)と、3万5千票以上の得票を目標に据える。

 民主は、6期務めたベテラン段坂繁美の後継に元札幌市議の藤川を擁立。藤川は民主の市議選候補とも連動しながら、支持労組を中心に組織固めに力を入れる。民主会派に所属する小林は現職の知名度を生かしながら、きめ細かく町内会や団体を回り、手堅くまとめる戦略。大地の推薦も受け、支持層拡大を進める。

 立候補の表明が最後となった無所属新人の越智は、地域をくまなく回り、知名度アップを図りながら、浮動票の獲得に力を入れる。

3議席狙う自民 民主は現職2人

◆市議(定数7、候補11)

長内 直也 50 自現《4》

村上 裕子 59 民現《1》大[社]

本郷 俊史 61 公現《5》

細川 正人 59 自現《3》

長谷川 衛 66 民現《2》[社]

鎌田 公浩 52 無新 維

中川 賢一 48 自新

中田  源 35 無新

小形 香織 50 共現《2》

立野 憲子 59 ネ新

豊島ゆりか 28 無新

 自民は現職の長内、細川に加え、新人の中川を擁立し、3議席の獲得を目指す。民主は現職の長谷川と村上が2議席維持を期す。公明現職の本郷、共産現職の小形は、支持基盤固めに力を入れる。市民ネットの立野は伊藤牧子の後継。無所属の鎌田は集会などに小まめに顔を出し、中田と豊島は無党派層を中心に浸透を図る。

■北区

維新推薦、混戦に拍車 自・民、2議席目指す

◆道議(定数4、候補8)

吉川 隆雅 38 自現《1》

向井 昭彦 50 民現《1》大[社]

佐野 弘美 39 共新

中野渡志穂 49 公新

道見 泰憲 48 自新

山根 理広 39 民新大[社]

佐藤 典子 59 ネ新

梶浦 宣明 53 無新維

 道内最多の8人が乱立する激戦区。民主党の元衆院議員三井辨雄の元秘書で、維新の推薦を受ける新人梶浦の動向を他陣営が注視する。昨年末の衆院選で、民主党本部は道2区(北、東区)の候補擁立を見送り、三井が後継指名した松木謙公を維新が公認。ところが、民主党北海道が、独自候補を推薦したため野党共闘が崩れた。その結果、分散した民主票が今回どの候補に流れるか。混戦に拍車をかける。

 その民主は2期目に挑む向井と、荒井聡衆院議員の元秘書山根を立て2議席目を目指す。自民は再選を目指す吉川に加え、2期務めた道見重信のおいの道見泰憲を擁立し、2議席死守に向け支持基盤を固める。

 昨年の衆院選道2区で得票を伸ばした共産は「混戦こそチャンス」と新人佐野を擁立し、党として16年ぶりの議席獲得を狙う。公明は衆院議員に転じた佐藤英道の後継として、中野渡が出馬し議席を守る構え。市民ネットは前回次点の佐藤が雪辱を期す。

自民4、民主3 現有維持に全力

◆市議(定数10、候補14)

浅野 隆雄 58 社新

林  清治 53 民現《1》

長屋いずみ 52 共新

石川佐和子 56 ネ現《1》

国安 政典 51 公現《2》

横山 峰子 64 自現《2》

坂本 恭子 54 共現《4》

宝本 英明 45 民現《2》大

伴  良隆 36 無現《1》自

中山 真一 42 維新

村松 叶啓 39 自新

伊与部年男 77 民現《9》

高橋 克朋 49 自現《5》

金沢  敬 46 諸新

 自民は現職の高橋と横山、引退する村松正海の長男叶啓に加え、推薦した無所属の伴を含め4議席維持が目標。民主は札幌市議で最多タイの10期目を目指す伊与部と、林、宝本の現職3人が議席を守る構え。前回トップ当選した公明の国安は組織引き締めを図る。共産は、昨年の衆院選での躍進を追い風に、12年ぶりに現職坂本と新人長屋の2人を擁立。市民ネットの石川は2期目を、前回次点だった社民は浅野が議席獲得を目指す。維新の新人中山は街頭演説に力を入れ浸透を図る。

名簿の見方 届け出順。氏名、投票日(12日)時点の年齢、党派、現職・元職・新人の別、当選回数の順。当選回数の後の党派略称は推薦党派([ ]は道内組織の推薦)。党派は、自=自民、民=民主、公=公明、共=共産、大=大地、維=維新、社=社民、ネ=市民ネット、気=元気にする会、諸=諸派、無=無所属(敬称略)