秋田市、由利本荘市
秋田市(定数12―16) 混戦、票の奪い合いも
一部の新人、現職が優勢に戦いを進めている。一方、多くの候補が当落線上におり混戦状態となっている。2011年の前回選挙に比べて定数1減、候補者3人減となり、投票率が大幅に下がらなければ、前回6千票余りだった当選ラインは上がるとみる陣営は多い。
鈴木健太(39)=自民新、沼谷純(42)=民主現、田口聡(60)=公明現=が先行。鈴木は自民支持層と無党派層に支持を広げている。沼谷と田口はそれぞれ所属政党の支持層を固めつつある。
元秋田市議の鳥井修(47)=無所属新=は連合秋田の推薦を受け手堅く選挙戦を進める。同じく元市議の加賀屋千鶴子(53)=共産新=は共産支持層に加えて女性票の取り込みを図る。
工藤嘉範(57)=自民現=は地元の東部地区を中心に農家票などを取り込む。三浦茂人(56)=無所属現=は地元外旭川に加え、前回2位当選の中泉松司(現参院議員)の地盤である下新城などで支持拡大を図る。雄和地区が地盤の竹下博英(61)=自民現=は仁井田に事務所を構え、前回トップ当選した冨樫博之(現衆院議員)の支持層を取り込みたい考え。
元秋田市議の今川雄策(42)=自民新=は、地元の泉以外でも浸透を図っている。
現職と新人らは多くの地域でしのぎを削る。自民は前回より2人多く、候補者同士の票の奪い合いも激しさを増している。
現職では、8選を目指す北林康司(73)=自民現=が地元八橋や企業などの支持固めに努める。石川ひとみ(64)=社民現、丸の内くるみ(70)=無所属現=は、いずれも労組や市民運動の支持が基盤。中央部を重点的に回り、追い込みをかける。
最上英嗣(48)=自民現=は地元土崎の商工業者を中心に票の取り込みを目指す。まるさん(60)=本名・菅原博文、自民現=は地元新屋などを中心に得票を狙う。
黒崎一紀(56)=無所属新=は地元の雄和地区以外でも票の掘り起こしを図る。3月中旬に出馬表明した石川錬治郎(75)=無所属元=は、街頭演説を重ねて巻き返しを狙う。
由利本荘市(定数3―4) 現職4人激しく競る
現職4人が生き残りを懸けて激しく争っており、予断を許さない状況だ。無党派層の動向が当落の鍵を握るとみられる。
7期目を狙う佐藤健一郎(63)=自民=は地盤の矢島、鳥海をまとめるが、本荘への浸透はいまひとつ。前回はトップ当選したものの、前々回から約2千票減らした。陣営は市議らがフル回転し票の掘り起こしを急ぐ。
連合秋田が推薦する三浦英一(59)=無所属=は民主、共産支持層のほか、初めて応援を受けた村岡敏英(衆院議員)が所属する維新の支持層にも浸透。有権者の多い本荘でやや優位に立ち、出身地矢島でも支持拡大を目指す。
加藤鉱一(66)=自民=は町長を務めた岩城をほぼ固めて他地域へ攻勢。約1年前から市議らと共にあいさつ回りに力を入れており、大内や本荘、西目にも食い込む。維新支持層にも浸透、保守を固めて票の上積みを図る。
唯一の女性、小田美恵子(68)=自民=は本荘で三浦と競り合う。大内、西目などへの浸透も図る。4人の中でただ一人、村岡の支援を受けていないが、維新支持層の一部を取り込む。自民票は分散しており、支持固めに懸命だ。
(敬称略)
- (上)鹿角市・郡、大館市、北秋田市・郡、能代市・山本郡2015/04/09
- (中)秋田市、由利本荘市2015/04/10
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