記事詳細
【統一地方選】
「実現したらここは新中央区」橋下市長の言葉にも希望と不安 都構想に揺れる西成区
「西成に住んでいることを伝えるときに後ろめたさを感じることがある」。西成区の自営業の男性(74)はこう漏らす。
橋下氏は平成23年に市長に就任し、「西成が変われば大阪と日本が変わる。西成をえこひいきする」とアピールした。警察などと連携しながらごみ収集や薬物取り締まりを強化し、福祉などの予算も重点的に配分。老朽化が深刻視されていた「あいりん総合センター」を建て替え、あるいは改修する方針もまとめた。
地元町会の世話役を務める男性(84)は、もともとは自民党支持者だったが、いまは都構想の実現を望んで維新を応援する。
「市外に住む息子に『今のままの西成なら、帰って一緒に住むことはできない』と言われている。このチャンスを逃しては二度と西成は生まれ変われない」
西成が大好き
だが大きな変革に慎重な意見もある。あいりん地区で日雇い労働者を支援するNPO法人の男性理事長(64)は「行政の線引きを変えただけで解決できるほど、あいりんの問題は小さくない」。特別区になった場合、逆にいまの西成への手厚い行政的な支援が弱まることも懸念する。
町会役員の女性(73)は、「中央区なんてなじみがないし、やっぱり私は今の西成が良い。西成が大好きな住民もいることを知ってほしい」と話す。