東京電力は10日、福島第1原子力発電所1号機の原子炉の調査のために同日、原子炉の格納容器内に投入したロボットが、何らかのトラブルにより途中で停止したと発表した。停止前に得られたデータは取得できるが、ロボット本体の回収の見込みは立っていないという。
ロボットは2011年3月の事故で炉心溶融を起こした1号機の原子炉の状態を調べるため、格納容器の内部に初めて投入された。
東電によると、10日午前9時すぎにロボットによる調査の作業を開始。格納容器内への投入に成功し、内部の踊り場で調査していたところ、午後2時すぎに制御できなくなった。通信用のケーブルが障害物に引っかかったことなどが原因とみられるが、詳細は不明という。
格納容器内の画像や温度、放射線量などの情報について、東電は当初予定の3分の2程度は収集できたと説明している。核燃料があるとみられる地下階につながる入り口などが観察できたという。これらのデータはロボットからの通信によって取得できる見込みで、週明けにも公開する。
東電は13日にも格納容器内の違う場所の調査を計画していた。ロボットはもう1台あるが、予定通り作業を実施するかどうかは改めて検討するとしている。
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