◇ブレーブス2−0マーリンズ
41歳とは思えぬ快足で、新天地“イチ”安打目をマークした。
マーリンズのイチローは、2点を追う7回2死走者なしの場面に代打で登場。「イチローコール」が起こる中、打席に向かうと救援左腕アビランの2球目の直球を投手左側へと転がした。滑り込んで処理しようとしたアビランがもたつく間に、悠々と一塁を駆け抜ける絶妙なセーフティーバント。ただ新天地で記録した初安打にも、これまでメジャー通算で2845安打を放ってきたイチローは「(初安打についての)僕の気持ちなんて、もう想像できる範囲だと思いますよ。凡人でも想像できる。だから言う必要はないんじゃないの」と淡々としていた。
第4の外野手として迎えた今季は出場機会が制限され、開幕して3試合での打席数は代打で出場した3打席のみ。それでも試合中には室内で体を動かすなど、いつ訪れるかわからない出番に向けて準備を怠ることはない。その中で記録した1本の安打はイチロー自身にとっても小さいものではないはずだが、チームは開幕3連敗と厳しいスタート。
それでも敗戦濃厚の終盤にメジャー最年長野手が見せた試合を諦めない姿勢はチームメートにも伝わったはず。レドモンド監督も「見ただろあのバントヒットを。イチローは41歳だけど、まだまだ走れるんだよ」と年齢を感じさせない全力プレーに笑顔で脱帽した。 (マイアミ穐村賢)
この記事を印刷する