大塚家具・久美子社長　父に情け「ふさわしい関わり方つくる」

笑顔を交えながら会見に臨む大塚家具の大塚久美子社長 Photo By スポニチ

　大塚家具の大塚久美子社長（４７）が９日、東京・新宿ショールームで会見した。

　創業者の父勝久氏（７１）と経営権をめぐって争った３月２７日の株主総会以後、公の場に姿を見せるのは初めて。白のスーツで登場し、第一声で「今回の騒動でご心配をお掛けし、信頼を損ない、誠に申し訳ありません」と深々と頭を下げ謝罪。続いて「大感謝フェア」と題した“おわびセール”の概要を発表した。

　株主総会では表情を変えずに、勝久氏の発言を制するなどクールに振る舞った。だがこの日は一変。約５０分間の質疑応答は、ほとんどが“お家騒動”についての質問となったが、“勝者の余裕”からか笑顔を交えて対応した。

　会長職からの退任に追い込んだ勝久氏の今後の処遇については、「大株主であり、創業者。会社にとって重要な存在。今後のふさわしい関わり方を、きちんとつくりたい」と、温情をかけるような発言。「今後アドバイスを求めることはあるか？」と聞かれると、「相談は常に広く求めていく」とした。

　ただ、現状は「（勝久氏に）働き掛けはしているが、会話をするには至っていない」「何をしているかは存じ上げない」と話すなど、親子断絶が続いている様子。勝久氏側についた長男勝之氏ら役員４人は現在、人事部付となっている。株主総会後、久美子氏は「ノーサイド」と処分などは否定したが、「就業規則違反などがあれば無視することはできない。その調査をしている」と説明。「粛清などではない」としたが、わだかまりが残っていることをうかがわせた。

　この日、勝久氏の都内の自宅からは、会見が始まる約１時間前に大型の高級車が出ていった。勝久氏が乗っていたかは不明。インターホンを押しても、反応はなかった。

　≪１８日からおわびセール≫“新生大塚家具”と銘打った大感謝フェアは１８〜３０日、全国の１６店舗で開催。最大５割引きのセールを行うという。専門コンサルタントによる睡眠環境へのアドバイスもあるという。同社の３月の売り上げは、昨年同月比で４割近い大幅減。久美子氏は「このフェアで、信頼を取り戻す第一歩としたい」と話した。