【DeNA】キヨシ初単独首位!チームは8年ぶり、虎3タテ4連勝!!
◆阪神1―2DeNA(9日・甲子園)
中畑監督の落ち着きが逆に、怖かった。チームは07年5月3日以来、8年ぶりとなる単独首位に躍り出た。12年にDeNAとなり、キヨシ監督が就任して以来、初の単独首位となった。それでも冷静に「追われる立場に慣れていない。まだ(カードが)ひと回りしてない」と受け流した。喜怒哀楽。いつもの派手な表現がないのは、本物の強さを実感しているからだろう。
今季初の4連勝。昨年8勝16敗だった阪神に、2年ぶりとなる敵地での3タテまで食らわせた。「エエ加減にせえ!」。そんな虎党のヤジが心地いい。「ウチを認めてくれているということだろう」と冷静にコメントした。快勝劇の立役者は、バルディリスだった。
就任1年目に開幕投手を任せた高崎が、7回無失点と力投。直後のチャンスをB砲が生かした。8回1死一、三塁。「狙い通りの球が来た」と福原の直球を右前へ流した。打率3割9分5厘、12打点はリーグ2冠となった。
昨季は打率2割5分5厘、17本塁打、52打点。不振の原因は両座骨神経痛だった。オフには米国へ戻り、血小板を患部に注射するPRP療法で回復した。2月のキャンプでは中畑監督に「構えた時に力を抜くこと」とリラックスすることの大切さを教わり、「期待してるぞ」と背中を押された。
「ナカハタさんには感謝している」。軸足に体重を残すことを心がける。その確かな技術を頼る仲間は多い。代表格は筒香だ。遠征先では言語の壁を越え、夜中まで打撃理論を交わす。宿舎の部屋でも素振り。駐車場に場所を移し、B砲が手作りした新聞紙のボールで打撃練習することもある。
投打の好循環に助っ人が絡み、開幕12試合目でセ界のトップに立った。試合後のベンチ裏。テレビカメラ5台を見渡した指揮官は「だから、こんなに集まってるのか」と少し目を細めた。6位、5位、5位と悔し涙を流しまくったキヨシDeNA。春の珍事でないことは、戦いぶりが証明している。(長田 亨)