寺社「油」被害:東大寺でも…国宝の大仏殿・南大門

毎日新聞 2015年04月10日 13時29分(最終更新 04月10日 14時22分)

東大寺・南大門の金剛力士像の足の部分で見つかった液体の跡=奈良市の東大寺で2015年4月10日午後1時6分、塩路佳子撮影
東大寺・南大門の金剛力士像の足の部分で見つかった液体の跡=奈良市の東大寺で2015年4月10日午後1時6分、塩路佳子撮影

 奈良や京都の寺社などで油のような液体がまかれる被害が相次いでいる件で、奈良県警は10日、奈良市の東大寺の大仏殿や南大門(いずれも国宝)など3寺社で、新たに被害が確認されたと発表した。

 奈良県警によると、東大寺では大仏殿内部の須弥壇(しゅみだん)の数カ所で確認されたほか、南大門の金剛力士像2体の下部にも液体が掛かった跡があった。10日午前6時40分ごろ、見回りをしていた寺の関係者が見つけた。

 ◇京都・狸谷山不動院も

 このほか、奈良県桜井市の談山神社、同県平群(へぐり)町の信貴山朝護孫子寺(しぎさんちょうごそんしじ)でも同様の被害が確認された。

 一方、京都市左京区一乗寺松原町の狸谷山(たぬきだにさん)不動院から10日、「油のようなものがまかれている」と京都府警下鴨署に通報があった。同署が現場で調べている。

 狸谷山不動院は、厄よけや交通安全祈願の寺で知られる修験道の寺。江戸時代の剣豪、宮本武蔵が心の剣を磨いたとされる「武蔵之滝」があり、修行場として信仰された。【小坂剛志、宮川佐知子】

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