セクハラやパワハラを理由に50代の女性職員から損害賠償請求訴訟を起こされ、辞職願を提出していた宮城県大衡(おおひら)村の跡部昌洋村長(66)が8日の辞職を前に7日、記者会見した。
女性職員に昨年4月以降、性的な関係を10回以上強要したほか、食事の誘いなどのメールを約1300通送るなどした。跡部氏の意に沿わない行動をとると、業務の決裁をしないなどのパワハラ行為も受け、うつ病になったと主張。跡部氏に慰謝料など1000万円の損害賠償を求める訴訟を仙台地裁に起こした。
弁護士2人を伴って記者会見に臨んだ跡部氏は「村民や関係者に今回の騒動を深くおわびしたい」と謝罪。一方で「訴えられたようなことは(女性に対して)していない。裁判を通じ、事実を明らかにしたい」とセクハラなどをあらためて否定した。
女性職員にメール1300通を送ったとされたことには「(メールは)送ったが回数は覚えていない」と話した。
会見では、女性職員との関係についてほとんど明かさなかったが、唯一認めたのが「お互いを“殿”と“姫”と呼び合っていた」という点。報道陣から「殿と呼べと命令していたか」と問われ「命じてはおりません」とした後で認めた。
提訴後に体調を崩したとした上で「まだ体調が戻っておらず、村長選への立候補は断念する」と述べた。跡部氏は3月18日から公務を休んでいた。既に村議会への辞職願を受理されており、8日付で辞職するのに伴い、村長選の投開票が26日に行われる。
跡部氏は3月、村議会の不信任決議を受け、議会を解散。理由を問われると、8月に村議選が予定されていたことを挙げ「不信任決議の前に辞職を決意していた。短い期間に2回選挙があると村民に多大な迷惑が掛かるので、解散して村長選と同日選にした方がいいと考えた」と述べた。
1100万円の退職金を受け取るのかとの問いには「いろいろな考え方があるとは思いますが、受け取る」とも語った。
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