韓国外務省が竹島を日本固有の領土とした教科書が合格したことを「挑発」と批判し、別所浩郎駐韓日本大使を呼んで6日に抗議した問題で日本政府は、抗議を受けつけない姿勢を示した。韓国は7日、同様の記述の外交青書が閣議で報告されたことにも「歴史に逆行する行為だ」との声明を発表。来春から、日本の中学生が使用する教科書で、領土問題に関する記述がほぼ倍増することに端を発する騒動の影響を専門家に聞いた。
岸田文雄外相(57)は7日の記者会見で、教科書検定の結果として中学校の社会科教科書の多くが島根県・竹島を「固有の領土」と記述したことをめぐる韓国の批判に対し、政府として「受け入れられない」との反論を伝えたことを明らかにした。
「竹島の問題をめぐるわが国の立場は一貫している。抗議は受け入れられないと(韓国側に)応答した」と述べた。同時に「検定結果が日韓関係全体に悪影響を及ぼさないよう、互いの努力が必要だ」とした。
下村博文文部科学相(60)も沖縄県・尖閣諸島が記述されたことも含め「近隣諸国との友好関係にマイナスになると思っていない」と強調した。
韓国は案の定、ヒステリックに反応している。6日には日本大使館前で市民団体メンバーが抗議活動を行ったほか、韓国政府は別所大使を呼んで抗議し、翌7日には外交青書の閣議報告に「歴史に逆行する行為だ」という声明を出した。だが、批判は正当とは言いがたい。著書に「韓国呪術と反日」などがある文筆人の但馬オサム氏はこう語る。
「おもしろいのは韓国ネットユーザーの声です。安倍政権に対し、歴史修正主義、侵略的野心などという言葉で非難するのはもうおなじみのことですが、彼らの矛先が実は朴政権にも向けられているのです」
韓国ネット住民が「日本の暴挙を抑えられなかったのは現政府が親日政権であるためだ」と指摘する声が多いという。
但馬氏は「あの“千年恨み節”の朴槿恵大統領が親日という指摘には笑ってしまいますが、ネット住民の主張は“弱腰すぎる、日本に何か弱みでも握られているのか”ということ。韓国では、親日派という言葉は売国奴と同義語であり、政治家にとって死刑判決ともいえます。これも韓国の歴代大統領が“困ったときの反日頼み”を延命の手段としてきたツケが回ってきたという証左です」と指摘する。
歴代大統領の末期の反日行動はさまざまだったが、極めつきだったのが、李明博前大統領(73)だった。
「竹島上陸と天皇陛下侮辱発言で日本の嫌韓感情が沸点を超えたのは言うまでもありません。一方、韓国は現在、末期的な反日中毒に陥っています。朴大統領に残された道は、李前大統領を超える反日モルヒネの投与です。それこそ大統領官邸を竹島に移し、執務を行うとか。さすがにそれは現実的ではないでしょう。むしろ、騒げば騒ぐだけ、竹島=日韓の紛争地という印象を国際社会に印象付けるだけで、何の得策にもなりません。経済政策でも死に体の朴政権にとって、日本をこれ以上怒らせるのは得策ではありません。つまり、打つ手は何もなし、が現状です」(但馬氏)
教科書で日本の領土問題の立場が明確になれば、今後は日本人も韓国人にハッキリとモノが言えそうだ。
「韓国の留学生はそれこそ幼稚園のころから『独島(竹島)わが領土』を洗脳され、それをかたくなに信じ、また世界に向けて広報することを大韓民国国民の証しと思い込んでいます。片や日本の留学生は、世界地図で竹島の位置すら示すことができませんでした」(同)
韓国特有の個人にまで徹底されたロビー活動に押されていた感があるが、これからは日本の主張もできそうだ。
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