ゆがんだ欲望の原因は――。群馬県高崎市内で買い物中の女性が硫酸をかけられた事件は、容疑者の写真を公開した翌7日に、急展開した。逮捕されたのは同市の無職北村宣晃容疑者(30)。容疑は傷害と器物損壊だ。
本紙既報通り6日に防犯カメラの画像が公開され「似た男を知っている」などの情報が寄せられ、自宅で逮捕されたが、容疑については否認。しかも過去に“体液男”として有罪判決を受け、執行猶予中の男だった。
北村容疑者は昨年12月、自分の尿と体液などを入れたコーヒーの空き缶を複数の女性のバッグに入れる事件を起こし、器物破損容疑で逮捕され、今年3月、同罪で懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。
昨年の逮捕当時、ゲームクリエーターの仕事をして東京・江戸川区に住んでいた。昨年4月、JR錦糸町駅前の歩道で、会社員女性(20)のバッグに体液入り空き缶を入れた。一昨年11月には東京メトロ市ケ谷駅のホームで女子高生(18)のバッグに同様の空き缶を入れた。調べに「仕事でムシャクシャしていた」などと話した。
だが、北村容疑者の幼少時代を知る近隣住民は「犯罪とは結びつかない良い子だった。サッカーを頑張っていて活発だった。大学で国文学を教えている父親譲りで、とても利発で弟さん思いで、絵本を読み聞かせてあげたり、とてもいいお兄ちゃんだった」と語る。
だが、多くの住民は「14~15年以上前から見かけなかった」と口を揃える。15~16歳のときに何があったのか?
ある住民は「あの子は中学卒業前、金属バットで家中、めちゃくちゃに壊して大暴れするなど家庭内暴力が続いたので、お父さんが母親と弟さんの身を案じて、彼と長女を連れて家を出て別居していた。数年前には自傷、他傷の恐れがあると警察に保護されたとも聞いた」と声を潜めた。
県下有数の進学校から早稲田大学に進学した北村容疑者だが“心の闇”を抱え、5人の女性に硫酸をかけたようだ。
【関連記事】