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【戦後70年・回想録(上)】「敵に30メートル接近して撃て」零戦・紫電改パイロットが語る…心に焼き付く記憶

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【戦後70年・回想録(上)】
「敵に30メートル接近して撃て」零戦・紫電改パイロットが語る…心に焼き付く記憶

太平洋上の米戦艦に体当たりする日本の零戦

 戦後70年の特別企画「零戦(れいせん)と戦艦大和講演会」(産経新聞社など主催)が3月27日、大阪市北区の市中央公会堂で開かれた。米英から恐れられた日本帝国海軍が誇る戦闘機「零戦」と「紫電改」のパイロット、笠井智一さん(89)=兵庫県伊丹市=が講演。戦争体験者や遺族ら約850人が、時折涙を流しながら真剣に聞き入った。2回にわたって笠井さんの講演内容を紹介する。

司会: 予科練を志願した動機は

 戦後70年がやって参りました。日本の勝利のために、この会場から、数百万の戦死された皆さん、アメリカの爆撃にあって爆死された皆さんに、心から感謝の気持ちとご冥福を祈りたい。

 私たちは17、18歳のとき、日本のために、勝利のために、南方戦線で戦った。

 いよいよこれが最後です/父さん母さんお元気で/白木の箱が届いたならば/たいした手柄は立てないが/泣かずに賞(ほ)めて下さいな(軍歌・海鷲だより、まま)

 こんな歌が、今も私の口からは自然に出てきます。

 昭和14(1939)年、私が中学2年のとき、中学校の先輩で南京、重慶などの中国戦線に加わっていた小谷海軍大尉が「制空権と制海権」という講演をした。子供心に「これからの戦争は陸軍ではだめだ。空で勝たなければ」と思ったことを覚えています。

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