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【両陛下パラオご訪問】
「慰霊の旅」の集大成 示された「覚悟」
天皇、皇后両陛下は9日、先の大戦の激戦地だったパラオ共和国ペリリュー島の慰霊碑で戦没者を追悼し、海外での2度目の「慰霊の旅」を無事に果たされた。戦後70年の節目だけでなく、疎開などでご自身も戦争を体験した80代の両陛下にとり、平和への祈りの集大成ともいえるこの旅で「不変」の強い覚悟を自らのお姿で示された。
日本軍約1万人が犠牲になったペリリュー島の最南端に建てられた「西太平洋戦没者の碑」。両陛下は日本から持参した白菊の花束を手向け、深々と一礼された後、海の先に望むアンガウル島にも拝礼された。
日本軍約1200人が命を落としたアンガウル島への拝礼は、ご訪問直前に天皇陛下のご意向で急遽(きゅうきょ)予定に入れられた。この機会に、より多くの英霊の鎮魂を祈り、思い残すことがないように務めを果たされる強い決意が垣間見える。
疎開体験を原点に、平和への思いを高めてこられた両陛下。沖縄戦の組織的戦闘終結の日(6月23日)、広島、長崎の原爆の日(8月6、9日)、終戦の日(同15日)を「忘れてはならない」4つの日として挙げ、戦後50年の平成7年、広島、長崎、沖縄、東京・下町の戦地を巡る初めての「慰霊の旅」を行われた。