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【両陛下パラオご訪問】
ペリリュー島で慰霊碑にご供花 生還者の元日本兵らともご面会
【ペリリュー島(パラオ共和国)=伊藤真呂武、今村義丈】戦没者慰霊のためパラオ共和国を訪問中の天皇、皇后両陛下は9日午前(日本時間同)、激戦地だったペリリュー島で、日本政府が建立した「西太平洋戦没者の碑」に供花して犠牲者を追悼された。碑のそばで出迎えた同島などでの戦いの生還者の元日本兵らとも面会し、改めて苦労をねぎらわれた。
両陛下は、宿泊先となったコロール島沖の海上保安庁の巡視船からヘリコプターに乗り、ペリリュー島に移られた。同島では先の大戦で上陸してきた米軍約5万人を迎え撃った日本軍約1万人がほぼ全滅。日本政府が昭和60年に米軍上陸地点に近い島南端に碑を建て、英霊を慰めてきた。
両陛下は、日本から持参した白菊の花を碑に供え、深々と拝礼された。続いて、日本軍約1200人が犠牲になったアンガウル島に向かっても頭を下げられた。パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国の大統領夫妻も同行した。
ペリリュー島の生還者で元海軍上等水兵の土田喜代一さん(95)やアンガウル島で重傷を負った元陸軍2等兵の倉田洋二さん(88)、遺族や遺骨収集の関係者らの出迎えを受け、両陛下は一人一人の話に耳を傾けられた。米軍の慰霊碑にも供花するなどし、同日夕に帰国の途に就かれる。