<大塚家具>久美子社長「父にポスト」 会員制は撤廃
毎日新聞 4月9日(木)21時22分配信
大塚家具の大塚久美子社長(47)は9日、毎日新聞のインタビューに応じ、3月の株主総会で経営から外れた父親で前会長の勝久氏(71)の処遇について、「創業者とのふさわしいかかわり方を協議している」と述べ、ポストを用意する考えを明らかにした。また、今後は一部店舗で残っていた会員制を事実上撤廃し、勝久氏が作った会員制の事業モデルとは決別する考えを改めて示した。
【お家騒動「ノーサイド」も溝なお深く】
勝久氏の処遇については、勝久氏の代理人を通じて協議を始めているという。久美子氏は勝久氏について「桐(きり)たんすの第一人者。教えを請う場面はあるかもしれない」と述べた。
株主総会では全16店舗の店長が勝久氏側についたが、現在は久美子氏が提唱する「気軽に入れる店作り」などの経営方針に賛同しているという。久美子氏は「(株主総会後に)気持ちを切り替えた従業員が圧倒的多数だと思う。後押ししたい」とし、混乱を収めたいとの考えを強調した。
ただ、勝久氏の株主提案で取締役候補に挙がった弟勝之氏(45)を含む4人の幹部については、「従業員規則や法令上の問題を調査中」と述べ、人事部付にしているという。
今後の事業展開についは「今まで振り向いてもらえなかった層にも足を運んでもらいたい」とし、若い世代の獲得に意欲を示した。また、海外展開について「店を出すだけでなく、卸売りなどいろいろな方法を考えていく」と述べ、日本の伝統家具の出荷などを検討するという。
一方、株主総会で創業家を除く85%近い賛同を得たため、経営陣による自社買収(MBO)などは行わないことも明らかにした。
同社は18日から、「新生・大塚家具 大感謝フェア」と銘打った大規模なセールを全国16店舗で開催する。【土屋渓、山口知】
最終更新:4月10日(金)3時40分
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