福井悠介、泗水康信
2015年4月9日23時56分
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画で、沖縄防衛局がブロックを投下した辺野古沖の75地点を調べた結果、94群体のサンゴが損傷していたことがわかった。移設計画に伴い、防衛局が設置した環境監視等委員会が9日、東京都内であり、防衛局が報告した。委員会では作業の進め方への批判も出た。
委員会は移設計画での環境保全策を検討するため設置された。この日の会合は非公開で、終了後に取材に応じた委員長の中村由行・横浜国立大大学院教授と防衛局によると、2月に調査したところ、サンゴ94群体に損傷や摩耗が見られたという。群体はサンゴの個体が集まって形成されたもの。損傷があった群体は最大のもので長径45センチ。94%は長径20センチ以下だった。委員からは「サンゴ礁全体への影響は軽微」という意見の一方、「影響をより回避する措置があったのでは」との指摘も出たという。
防衛局は、海上作業の区域などを示す浮き具の重りとして、当初は重さ百数十キロのアンカーを沈めた。だが台風で多くが流されたため、今年1月の委員会で流失を報告した上で、最大45トンのコンクリート製ブロックに切り替えた。ブロックの大きさは委員に事前説明がなかったといい、中村委員長は「密接な情報交換を求めたいという強い意見が出た」と語った。
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