パラオ・ペリリュー島=島康彦、中田絢子
2015年4月9日17時54分
天皇、皇后両陛下が9日午前、長年訪問を望んでいたパラオ・ペリリュー島を訪れ、「西太平洋戦没者の碑」での慰霊を果たした。そのそばには、この島で繰り広げられた激戦の数少ない生存者、そして、肉親を失った遺族の姿があった。
土田喜代一(きよかず)さん(95)はペリリュー戦を戦った元海軍上等兵。両陛下の慰霊に立ち会おうと、娘と福岡県筑後市からやってきた。
土田さんは戦闘当時、24歳。圧倒的な兵力の米軍に、壕(ごう)や岩陰に隠れながら銃で応戦した。目の前で仲間が砲撃に吹き飛ばされ、米兵と鉢合わせになり命からがら逃げ延びた。
「決して忘れることのできない光景」と話すのは、地雷を手に米軍の戦車に向かっていった1等兵の姿だ。それまでは弱々しさから馬鹿にされていたが、周囲がおじけづく中、「行って参ります!」と手を挙げた。「彼の勇気に命を救われたんです」
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