1週目は毎日、腕立て伏せをしていたが、本当は筋肉を回復させる休憩日が必要なことも同時に教えられた。その後は坂詰さんの助言を基に休憩日を設け、スクワットを週3回試した。最初は脚の張りを感じたが、筋肉痛というほどではない。腕立て伏せに比べて効果を感じる分、運動後の疲れも心なしか気持ち良くなってきた。
効果は実感でき始めたが、1種目だけだと休憩があるので毎日は運動できない。そこでスクワットの休憩日には腕立て伏せなどを続けたが、相変わらずこちらの手応えはいまひとつのまま2週目は終了した。
3週目には新たな運動法を聞けた。「体脂肪を効果的に燃焼+運動能力・体力UPのファンクショナルトレーニング」の著者でボディデザイナーの森俊憲さんが教える腹回りにきく運動だ(図2)。「あおむけに寝て起き上がる腹筋運動より効率的です」という。
■成果を実感 長続きのコツ
うつぶせで両肘をつき、脚を伸ばして体を一直線にして支える簡単な運動だが、実際にやるとつらい。1セット30秒で、1~2分休憩しつつ2~3セットが目安だが、初回は20秒もたつと腹筋が震え出した。
森さんは「苦しいなら5秒からでもいい。長くやろうとしてフォームが崩れる方がよくない。他の運動でも悪いフォームでたくさんの回数をやっても効果は上がらないですよ」と教えてくれた。この話を聞き、1週目の腕立て伏せは回数を増やそうとするあまり、姿勢が崩れていたのかもしれないと思い当たった。
森さん推薦の運動は自分に合う秒数を守れば毎日やってもいいという。早速その日から始めると、3週目の終わりには以前より腹筋に力を入れやすくなった気がした。同時にスクワットを続けた脚の変化があり、階段を上るのが楽になった。試しに通勤中に今までエスカレーターを使っていたところも階段で上ったが、脚が疲れなくなった。
もっとも、3週間の運動を終えて体重や腹の周囲を測ると、変化はなく、数値上の成果は残せなかった。専門家によれば室内運動で体のサイズまで変化させるには3カ月はかかるという。森さんは「まずは『力が入りやすくなった』など自分なりの成果を感じることが大切。それを積み重ねないと3カ月間はとても続かない」と話す。
確かに最初はとても面倒に思えた運動が、成果を感じた途端、楽しくなった。そういう現金な心理も上手に使うことが体質改善の第一歩になる。
記者のつぶやき
スクワットや腹回りの運動は、フォームや秒数さえ調整すれば女性や高齢者もできる。1週目からこれらを試していれば、記者ももう少し成果を出せたかもしれない。
単純に「腕立て伏せをたくさんやればいい」と考えた浅はかさを何度も恥じ入る3週間だった。専門家に聞くと、こうした思い込みで運動を始めて「成果が出ない」と投げ出すのが、素人トレーニング失敗の典型例だ。鍛えるのは体でも成否を分けるのは結局「心」の持ちようということか。
(堀大介)
[日経プラスワン2013年8月24日付]
出版:日本経済新聞出版社
価格:1,260円(税込み)
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